序章|「なんとなく、背中の感覚がおかしい」
「手術さえ終われば、元の生活に戻れる」
当時の私は、そんなふうに楽観的に考えていました。
でも現実は違いました。
手術が成功しても、退院しても、“痛み”だけはしぶとく残ったのです。
最初に違和感を覚えたのは、2024年の夏。
「なんとなく背中が重いな」「痺れっぽいな」──そんな小さなサインでした。
それでも当時は「疲れかな」「数日休めば治るだろう」と軽く考えていました。
しかし日が経つにつれ、痛みはじわじわと強まりました。
咳をすると背中に電気が走り、自転車で段差を越えるだけで“雷”が落ちたような衝撃。
夜は眠りが浅くなり、朝は足がしびれて立ち上がるのも辛い。
病院でMRIを受け、医師に告げられたのは──
「脊髄腫瘍、硬膜内髄外腫」。
10万人に1人と言われる病気でした。
頭の中は真っ白でした。
でも同時に、ようやく原因がわかったことに、どこかホッとした自分もいました。
「手術すれば、この痛みから解放される」
「終わったらまた走れる」
そう信じて、私は手術に臨むことを決めました。
この序章では、手術前の私が抱いていた不安や期待を正直に書きました。
同じように「これって何だろう」「まさか病気?」と不安に思っている方がいたら、少しでも参考になれば嬉しいです。
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📖 脊髄腫瘍 闘病記シリーズ
- 全体像・目次
- 序章|「背中の違和感」から始まった物語
- 第1章|背中が告げた異変
- 第2章|手術の日
- 第3章|目覚めと入院生活
- 第4章|もう一度走る──100日目の挑戦
- 第5章|働き方を選び直す
- 第6章|痛みと制度の壁
- 第7章|「普通」に見える非日常
- 第8章|価値観の変化
- 第9章|読者へのメッセージ
- 最終章|痛みと歩幅、そしてこれから
