長く働くために、仕事選びで変えた基準

仕事を選ぶとき、何を基準にするでしょうか。

給与、仕事内容、会社の安定性、勤務地、福利厚生。

以前の私は、その中でも収入をかなり重視していました。

経験を積み、できる仕事を増やして、より責任のある仕事を任される。その結果として年収も上がっていく。

それがキャリアを積むことだと思っていました。

今でも、収入が大切ではないと思っているわけではありません。

同じ時間働くのであれば、給与が高い方がいい。これまでの経験を生かした方が、できる仕事も多く、給与も高くなる可能性があります。

それでも、今の私が仕事を選ぶなら、以前とはかなり違う基準で考えると思います。

一番大きく変わったのは、

「できる仕事」よりも、「長く続けられる仕事」を見るようになったことです。

そして、もう一つあります。

やれる仕事と、やりたい仕事は違う。

体調を崩した経験をしてから、この二つを以前より分けて考えるようになりました。

目次

以前は「できること」が増えるほど選択肢も広がると思っていた

私は長く経理の仕事をしてきました。

税理士事務所から一般企業の経理まで経験し、仕事の範囲も少しずつ広がっていきました。

経験を積めば、より難しい仕事ができるようになります。

責任のある仕事を任されれば、それが評価や収入につながることもあります。

会社員として働いていた頃は、それを自然なキャリアだと考えていました。

だから仕事を選ぶときにも、

「自分の経験をどれだけ生かせるか」

「どれくらいの給与を得られるか」

ということは重要な基準でした。

今、もう一度会社員として仕事を探すとしても、これまでの経験を生かした方が条件のいい仕事を見つけやすいと思います。

経理経験を生かして、より専門性や責任のある仕事を探す。

収入だけを考えれば、その方が合理的かもしれません。

でも今は、それだけでは決められません。

同じ8時間でも、仕事の負荷はまったく違う

仕事を考えるとき、以前は労働時間を「何時間働くか」で見ていました。

今は、それだけでは足りないと思っています。

同じ8時間でも、仕事によって負荷はまったく違うからです。

次々と判断を求められる仕事。

期限に追われる仕事。

自分が止まると周囲の仕事まで止まってしまう仕事。

常に高い集中力を求められる仕事。

比較的、自分のペースで進められる仕事。

同じ8時間勤務でも、疲れ方はかなり違います。

私は考える仕事そのものが嫌いなわけではありません。

むしろ、自分で考えたり、新しいことを試したりする仕事は好きな方だと思います。

ただ、それが責任の重い仕事になれば話は変わってきます。

考え続けることによる疲労が大きくなれば、私の場合は体調にも影響します。

以前なら、

「できるか、できないか」

で判断していた仕事を、

今は、

「できるとしても、その負荷を毎日受け続けられるか」

というところまで考えるようになりました。

休んでも大きな影響が出ないことも、仕事の条件になった

もう一つ、以前ならあまり考えなかった条件があります。

急に休んだとき、その仕事がどうなるか。

ということです。

体調はいつも予定通りにはいきません。

通院が必要になることもあります。

今日は大丈夫だと思っていても、急に調子が変わることもあります。

自分で仕事をしているのであれば、しんどい日は予定をずらしたり、休んだりすることができます。

もちろん納期などはありますが、ある程度は自分で仕事量を調整できます。

会社員では、そうはいきません。

会議があります。

締め切りがあります。

同僚や部下が自分の判断を待っていることもあります。

自分が休むことで、誰かに仕事を引き継いでもらわなければならない場合もあります。

特に責任のある立場になればなるほど、

「今日は体調が悪いので休みます」

だけでは済まない仕事が増えていきます。

だから今の私が会社員として働くなら、

自分が急に休んでも、仕事全体に大きな影響が出ないこと

も重要な条件になると思います。

これは以前の私には、ほとんどなかった仕事選びの基準です。

体調を崩してからは、仕事そのものを選ぶ前に、「今の自分はどんな条件なら無理なく働けるのか」を考えるようになりました。

体調を前提に、働き方を考え直した過程はこちらにまとめています。

第一線で働き続けることだけがキャリアではなくなった

以前の私は、経験を積めば、その先へ進むことを考えていました。

より難しい仕事。

より大きな責任。

より高い役職。

より高い収入。

会社員としてキャリアを積んでいけば、自然とそういう方向へ進んでいきます。

でも今は、第一線で働き続けることが自分に合っているのか分かりません。

能力の問題ではありません。

できる仕事があったとしても、その状態を長く維持できるかは別だからです。

責任が増えれば、仕事そのものだけではなく、

判断すること。

気を配ること。

期限を管理すること。

人との調整をすること。

そうした目に見えない負荷も増えていきます。

それを毎日続けたとき、自分の体がどうなるのか。

今はそこまで含めて仕事を考えます。

だから、もし再び会社員として働くのであれば、必ずしも第一線のポジションを求めないと思います。

以前なら「後退」と感じたかもしれません。

でも今は、長く働くために負荷を調整することも、一つの選択だと思っています。

残業だけでなく、通勤時間も「仕事の時間」になった

働き方を考えるうえで、労働時間そのものも以前より重要になりました。

特に避けたいのは、長時間の残業です。

8時間働いて、さらに残業する。

そこに通勤時間まで加われば、仕事に使う時間はかなり長くなります。

たとえば8時間勤務でも、往復2時間の通勤があれば、それだけで一日の10時間を仕事のために使います。

そこに残業が加われば、さらに長くなります。

以前なら通勤時間は、勤務時間とは別のものとして考えていました。

今は違います。

自分の体から見れば、会社にいる時間も、電車で移動している時間も、一日の中で消費する時間です。

だから今仕事を選ぶなら、

残業が少ない。

通勤時間が短い。

できれば働く時間そのものも調整できる。

こうした条件を、給与と同じくらい見ると思います。

経験を生かせば給与は上がる。でも、それをやりたいとは限らない

ここが、今の私にとって一番難しいところかもしれません。

これまでの経験を生かした方が、仕事は見つけやすいでしょう。

経理という経験があります。

より難しい経理業務まで対象にすれば、できる仕事も増え、給与も高くなる可能性があります。

でも、難しい経理業務になれば、それだけ神経を使う場面も増えます。

責任も増えるでしょう。

つまり、

「経験を生かして高い給与を得る」という選択と、「負荷を下げて長く働く」という選択が、必ずしも同じ方向を向いていない。

ここに今の私の仕事選びの難しさがあります。

さらに、もう一つあります。

やれることと、やりたいことも違います。

経理は、これまでやってきた仕事です。

だから「できる仕事」という意味では、今でも有力な選択肢です。

でも、これからも経理だけを続けたいかと聞かれると、それも少し違います。

未経験でも、やってみたい仕事を選ぶかもしれない

今、私が興味を持っているのはWEBに関わる仕事です。

これまで長く経験してきた経理とは違います。

当然、経験だけで比べれば経理の方が圧倒的にあります。

給与についても、これまでの経験を評価してもらえる経理の方が高くなる可能性があります。

それでも、もしWEB関係の仕事で、

短時間で働ける。

残業がほとんどない。

通勤の負担が小さい。

責任が重すぎない。

そんな仕事があるなら、たとえアルバイトであっても、今の私はそちらを選ぶ可能性があります。

一見すると矛盾しているかもしれません。

負荷の軽い仕事を選びたいと言いながら、わざわざ未経験の分野へ行けば、新しく覚えることが増えるからです。

でも私にとって、

「考えること」と「責任に追われ続けること」は同じではありません。

知らないことを学ぶ。

自分で試してみる。

少しずつできることが増える。

そういう負荷までなくしたいわけではありません。

むしろ、私はそういうことには今でも興味があります。

減らしたいのは、興味のあることに頭を使うことではなく、

体調が悪くても止められない仕事を抱え続けること

なのだと思います。

「楽な仕事」を探しているわけではない

長く働くために負荷を下げたい。

そう書くと、「できるだけ楽な仕事を選びたい」と読めるかもしれません。

でも、自分では少し違うと思っています。

何も考えなくていい仕事だけをしたいわけではありません。

新しいことも学びたい。

知らないことにも挑戦したい。

自分なりに考える仕事もしたい。

ただ、それを続けるために、負荷をかける場所を選びたいのです。

仕事の責任ですべての余力を使ってしまうのではなく、自分が興味を持ったことにも力を使える状態を残しておきたい。

以前より、そう考えるようになりました。

「年収が上がるなら前進」とは思わなくなった

以前の私なら、仕事を選ぶときに年収はかなり大きな判断材料でした。

今でも収入は大切です。

だから、

「給与なんて低くてもいい」

とは思っていません。

生活があります。

将来もあります。

家族もいます。

収入が高いことには、今でも大きな価値があります。

ただ、

年収が上がることと、自分にとって仕事が良くなることは同じではなくなりました。

年収は上がる。

でも残業も増える。

責任も増える。

通勤にも時間がかかる。

簡単には休めない。

その結果、仕事以外の時間まで回復に使わなければならない。

そう考えると、数字だけを見て「条件が良くなった」とは言えません。

反対に、給与は少し下がっても、

短時間で働ける。

急に休んでも大きな影響が出ない。

残業がない。

通勤時間が短い。

興味のあることを学べる。

そういう仕事の方が、今の自分には合っている可能性があります。

長く働くための基準は、人によって違っていい

では、長く働くためには、どんな仕事を選べばいいのでしょうか。

私にも答えはありません。

高い収入を優先した方がいい人もいるでしょう。

今は多少無理をしてでも経験を積みたい人もいると思います。

責任のある仕事に大きなやりがいを感じる人もいます。

どれも間違いではありません。

私自身、以前はそういう働き方を選んできました。

ただ、体調が変わったことで、自分にとっての基準が変わりました。

今の私なら、

できる仕事か。

どれくらい負荷があるか。

急に休めるか。

残業や通勤時間はどれくらいか。

長く続けられるか。

そして、自分がやってみたいと思えるか。

そうしたことを一緒に考えると思います。

条件は一つではありません。

場合によっては、互いに矛盾します。

給与を上げれば責任が増えるかもしれない。

負荷を下げれば、やりがいまで小さくなるかもしれない。

未経験の仕事を選べば、収入が下がるかもしれない。

だから、今でも何が一番いいのかは分かりません。

ただ一つ、以前とは明らかに違うことがあります。

昔の私は、

「この仕事なら、どこまで上に行けるだろう」

と考えていました。

今は、

「この仕事を数年続けた先の自分を想像できるだろうか」

と考えます。

仕事選びの基準が変わったというより、

仕事を見る時間軸が変わったのかもしれません。

長く働くということは、できるだけ長い時間働くことでも、できるだけ高いところまで行くことでもない。

自分にとって何が長く続けられる形なのか。

私は今も、その基準を探している途中です。


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この記事を書いた人

会計事務所・事業会社で約20年、税務・経理の仕事に従事。
40代で脊髄腫瘍を経験し、手術とリハビリを経て現在はフリーランスとして働いています。

このブログでは
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について実体験をもとに発信しています。

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