「会計の仕事を増やせば、もっと収入は増えるのに。」
そう言われることがあります。
実際、その通りです。
私は税理士事務所や企業経理で長く働いてきました。
今でも、その仕事を増やそうと思えば増やせます。
短期的に考えれば、その方が収入は増えるでしょう。
それでも私は、あえて会計の仕事を少しずつ減らしています。
その代わりに時間を使っているのは、ブログを書き、noteを書き、Pythonで自動化ツールを作り、NotebookLMで知識を整理することです。
正直に言えば、その多くは今のところほとんど収入になっていません。
効率だけを考えれば、決して良い選択ではないと思います。
それでも私は、この働き方を選びました。
なぜなら、私が欲しかったのは「今日の収入」ではなく、「壊れない収入」だったからです。
私が会社を辞めた理由は、病気ではありませんでした
病気になったから会社を辞めた。
そう思われることがあります。
でも実際は違います。
私は病気になる前に会社を退職しました。
当時の私は、会社にも仕事にも大きな不満があったわけではありません。
管理職として働き、それなりに責任もありました。
このまま定年まで働くという未来も、十分現実的だったと思います。
それでも退職を決断しました。
理由は一つです。
このまま同じ仕事を続けているだけでは、いつか自分は必要とされなくなる。
そんな危機感があったからです。
AIが急速に進化し、仕事のやり方も大きく変わろうとしていました。
今まで当たり前だった仕事が、自動化される時代が来る。
そのとき、「今まで通り仕事ができる人」でいるだけでは、生き残れないのではないか。
そんな思いが、少しずつ強くなっていきました。
だから私は、新しいことを学ぶ時間を作ろうと決めました。
それが、データサイエンスでした。
AIがあるからこそ、自分で考えられるようになりたかった
「AIがあるなら、自分で勉強しなくてもいいのでは?」
そう考える人もいるかもしれません。
でも私は、逆でした。
AIが出した答えを、そのまま信じることには抵抗がありました。
もちろん、私はAIを否定しているわけではありません。
今では、ブログを書いたり、文章を整理したり、毎日のように活用しています。
むしろ、AIのおかげで以前よりできることは増えました。
でも、その答えが本当に正しいのか。
自分に合っているのか。
それを判断するには、自分自身にも基礎となる知識が必要です。
だから私は、Pythonを学び、データサイエンスを学びました。
AIに仕事を奪われないためではありません。
AIを道具として使いこなせる自分になりたかったからです。
今振り返れば、この考え方は、現在ブログや自動化に取り組んでいることにもつながっています。
その後、人生の前提が大きく変わりました
新しいことを学び始めたあと、私は病気になりました。
手術によって病巣は摘出できました。
命が助かったことには、本当に感謝しています。
でも、以前と同じ体には戻りませんでした。
神経の後遺症が残り、長時間座り続けることも難しくなりました。
体調は日によって変わります。
集中できる日もあれば、痛みで思うように動けない日もあります。
さらに、私の体にはまだ別の腫瘍も残っています。
今後、それが大きくなれば、再び手術が必要になる可能性もあります。
そのたびに後遺症が増える可能性もあります。
もちろん、そうならないことを願っています。
でも、「大丈夫だろう」とだけ考えて人生を設計することは、私にはできませんでした。
私が一番怖かったのは、病気ではありませんでした
病気になったこと。
後遺症が残ったこと。
もちろん、それも大きな出来事でした。
でも、本当に怖かったのは、その先です。
もしまた働けなくなったら。
もし体調がさらに悪くなったら。
そのとき、自分はどうやって生活していくのだろう。
私は神経疼痛があり、定期的な通院やリハビリも続いています。
それでも障害者として認定されず、社会からは健常者と同じような働き方を求められます。
会社員なら、定期的に通院のため仕事を抜ける必要があるかもしれません。
アルバイトでも、体調不良による欠勤が増えれば、働き続けることは簡単ではないでしょう。
そこで初めて気づきました。
私が考えるべきなのは、
「どうすれば収入を増やせるか」
ではなく、
「どうすれば、働き続けられるか」
だったのです。
その問いに対する答えを探し始めたことが、今の働き方の出発点になりました。
私が「働き方」そのものを見直すようになった経緯については、こちらの記事で詳しく書いています。
会計の仕事を減らしたのは、「嫌い」になったからではありません
ここまで読むと、
「それなら、会計の仕事を続けながらブログを書けばいいのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
確かに、その方法もあります。
実際、今でも私は会計の仕事をしています。
会計の仕事を否定しているわけではありません。
長年積み重ねてきた経験ですし、自分にとって大切なスキルです。
だから、仕事そのものを辞めたいと思ったことはありません。
ただ、一つだけ大きく変わったことがあります。
それは、人生の中で一番時間を使う仕事を変えようと思ったことです。
時間で働く仕事は、働いた分だけ収入になります。
とても分かりやすく、安定した働き方です。
でも一方で、働けなくなれば、その瞬間に収入も止まります。
病気を経験した私にとって、そのリスクは以前よりずっと現実的なものになりました。
だから私は、時間を売る働き方だけに頼るのではなく、少しずつでも「積み上がるもの」を増やしたいと思うようになったのです。
固定費を下げた本当の理由
私が固定費を見直したのは、節約が好きだからではありません。
生活を我慢したかったわけでもありません。
目的は、もっと別のところにあります。
時間を買うためです。
毎月の生活費が高ければ、その分だけ目先の収入を優先しなければなりません。
すると、本当にやりたいことや、将来につながることに時間を使えなくなります。
だから私は、固定費をできるだけ下げました。
生活防衛資金も準備しました。
学生の頃から続けてきた投資による配当収入もあります。
もちろん、それだけで安心できるわけではありません。
でも、そのおかげで、「今すぐ収入になる仕事」だけを選ばずに済んでいます。
私にとって生活防衛資金や配当は、安心そのものではありません。
未来に挑戦する時間を作るための土台なのです。
収入より、「積み上がる時間」を選びたい
今、私が時間を使っているのは、ブログ、note、Python、自動化の仕組みづくり、NotebookLMを使った知識の整理です。
どれも、今日すぐに収入になるものではありません。
むしろ、時給で考えれば、とても効率が悪いと思います。
だから、「もっと会計の仕事を増やした方がいいのでは」と思う日がないわけではありません。
それでも私は、この時間を大切にしています。
なぜなら、それは積み上がる時間だからです。
ブログの記事は、公開したその日だけで終わるものではありません。
何か月後、何年後に読まれることもあります。
Pythonで作った自動化ツールは、一度完成すれば、これから先の作業時間を減らしてくれます。
NotebookLMで整理した知識も、次の記事や新しいアイデアにつながります。
今日使った時間が、明日も、来年も残り続ける。
私は、その感覚に大きな価値を感じています。
保証はありません
もちろん、この選択が正しいとは言い切れません。
ブログが必ず収益になる保証もありません。
新しい技術を学んだからといって、それが仕事につながる保証もありません。
積み上げ型の収入には、ブログや有料コンテンツ、デジタル商品の販売、ソフトウェアや自動化ツールの提供など、さまざまな形があります。
どれも時間がかかりますし、結果が出ないこともあります。
だから私は、「誰でもこの方法がいい」と言いたいわけではありません。
ある程度の生活防衛資金があり、固定費を見直し、自分が積み上げられるスキルを見つける。
そうした条件があって初めて選べる働き方だと思っています。
私にとっては、それが「書くこと」と「仕組みを作ること」でした。
私が作りたいのは、「壊れない収入」です
病気を経験してから、私は一つのことを考えるようになりました。
もし、また体調が悪くなったら。
もし、再び手術が必要になったら。
そのとき、私はどうやって生活を続けるのだろう。
その答えとして出した結論が、「壊れない収入」を作ることでした。
壊れない収入とは、どんな状況でもお金が入ってくる魔法の仕組みではありません。
そんなものは存在しないと思っています。
私が考える壊れない収入とは、
体調が変わっても、働き方を調整しながら続けられる収入です。
仕事をすべて止めなくてもいい。
少し休みながらでも前へ進める。
働ける日に積み重ねたものが、働けない日も支えてくれる。
そんな働き方を少しずつ作っていきたいのです。
おわりに
以前の私は、「収入を増やすこと」が安心につながると思っていました。
でも今は少し違います。
安心とは、お金の額だけではありません。
体調が変わっても。
予定どおり働けない日があっても。
人生に予想外の出来事が起きても。
それでも前へ進める仕組みがあること。
それが、私にとっての安心です。
だから私は、目先の収入だけを追いかけるのではなく、時間をかけてでも「壊れない収入」を作ることを選びました。
この選択に、成功の保証はありません。
それでも、自分の体と向き合い、自分のリスクを受け入れた今の私にとっては、一番納得できる働き方だと思っています。
遠回りに見えるかもしれません。
でも私は、今日の収入よりも、五年後、十年後も続けられる働き方を選びたい。
それが、私がたどり着いた答えです。
私にとっては、この働き方が一番納得できる答えでした。
でも、同じ条件の人は一人もいません。
だから、この働き方が正解だとは思っていません。
ただ、自分の体、自分のリスク、自分が大切にしたいものを一つずつ整理していった先に、この選択がありました。
あなたなら、どんな働き方を選びますか。
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