病気が「判断のしかた」をどう変えたか

判断が変わると、
働き方も、お金の使い方も、
生き方そのものも変わります。

私の場合、
その変化のきっかけは病気でした。

判断のスピードが速くなったわけではありません。
価値観がひっくり返ったわけでもない。

ただ、
判断を支えていた前提が、
静かに変わっていった。

その過程を、
少し言葉にしてみようと思います。

目次

病気が変えたのは、価値観ではなかった

病気をすると、
価値観が変わるとか、
人生観が変わるとか、
そういう言い方をされることがあります。

でも、私自身の感覚としては、
性格が大きく変わったわけでも、
考え方がひっくり返ったわけでもありません。

判断のスピードが、
極端に速かったわけでもないし、
速くなければならないと強く思っていたわけでもない。

それでも、
病気を境に、
判断のしかたそのものは、
確実に変わりました。


病気の前、判断の背後にあったもの

病気になる前の判断を振り返ると、
そこには共通する前提がありました。

それは、
毎月、一定額の給与が入ってくるという事実です。

多少判断を誤っても、
多少失敗しても、
来月の生活がすぐに崩れるわけではない。

この「見えない保険」が、
仕事の選択にも、
投資にも、
日常の消費にも、
静かに影響していました。

無意識のうちに、
「まあ何とかなるだろう」という余白を前提に、
判断していたのだと思います。


病気が「即断」をできなくした

病気をきっかけに、
その前提が崩れました。

体調に波が出る。
集中力が続かない日がある。
翌日の自分の状態が読めない。

そうなると、
以前のように
「勢いで決める」ことが難しくなります。

・今日は判断できない
・今決めると後悔しそう
・一度寝かせたい

そんな感覚が、
意識せずとも増えていきました。

最初は、
それが弱くなった証拠のようにも感じていました。


判断が遅くなったのではなく、「構え」が変わった

しばらくして気づいたのは、
判断が遅くなったわけではない、ということです。

正確には、

  • すぐ決めるべきもの
  • 時間を置いた方がいいもの
  • そもそも決めなくていいもの

この仕分けをするようになった。

以前は、
ほとんどのことを
「今すぐ決める箱」に放り込んでいました。

病気以降は、
判断の前に、
一呼吸置くようになった。

それだけで、
判断のスピードそのものより、
スピードの使い方が変わりました。


この変化は「働き方」に直結した

働き方の面では、
この判断特性の変化はかなり大きかったです。

無理な仕事を、
「今は引き受けない」と判断できるようになった。

逆に、
条件が合う仕事には、
迷わずOKを出せるようにもなった。

以前は、
断るかどうかで長く悩んでいたのに、
今は、

  • 体調
  • 時間
  • 回復余力

この3つを見て、
自然と判断できるようになっています。

即断できなくなった、というより、
判断の基準がはっきりした感覚です。


投資判断でも、同じ変化が起きた

投資でも、
判断のしかたは変わりました。

以前は、

  • 下がったら買う
  • 上がったら売る
  • 機会損失を恐れる

そういう思考が、
今よりも強かったと思います。

今は、

  • 今は見送る
  • 今日は何もしない
  • 判断しないのも戦略

こうした選択を、
「逃げ」だと思わなくなりました。

病気を通して、
判断しないという判断
受け入れられるようになったことは、
投資面でも大きな変化でした。


消費の判断にも、同じ変化が表れた

この変化は、
日常の消費にも表れています。

以前は、

  • 安売りしているから買う
  • なんとなく便利そうだから買う
  • 今使わなくても、そのうち使うだろう

そんな判断を、
あまり深く考えずにしていました。

今は、

  • 本当に必要か
  • 今でなければいけないか
  • 買わない選択肢はないか

一度、立ち止まって考えるようになりました。

節約というより、
判断の重みが変わった感覚に近いです。


生き方の判断も、同じ軸で変わっていった

生き方についても同じです。

以前は、

  • こうあるべき
  • この年齢ならこれ
  • 周囲に遅れないように

そんな基準で、
急いで判断していた気がします。

今は、

  • 今の自分で続くか
  • 3年後も耐えられるか
  • 回復しながら進めるか

この問いを、
判断の前に自然と挟むようになりました。

結果として、
人生のスピードは少し落ちたかもしれません。

でも、
ブレーキを踏めるようになった感覚があります。


病気は「判断能力」を奪ったのではなかった

病気は、
判断能力を奪ったわけではありませんでした。

むしろ、

  • 速さの使いどころ
  • 迷いの価値
  • 決めない勇気

こうした判断特性を、
後から身につけさせてくれたように思います。

これは、私自身の病気の体験から始まった話ですが、
病気の人だけの話ではありません。

固定収入がなくなったとき。
立場が変わったとき。
判断の結果を自分で引き受けるようになったとき。

誰にでも起こり得る変化です。


まとめ:判断は「速さ」ではなく「前提」で決まる

今の私は、
以前より即決できない場面が増えました。

でもそれは、
迷いが増えたからではありません。

判断の前提にあった
「何とかなる」という保険が消え、
その分、
判断を自分で引き受けるようになっただけです。

病気が変えたのは、
判断のスピードではなく、
判断の足元にあった構造でした。

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この記事を書いた人

会計事務所、事業会社で税務・経理の仕事に従事していました。
40代で脊髄腫瘍になり、手術・リハビリをしつつ、現在はフリーランスで仕事をしています。