フリーランスのメリット・デメリット|会社員を辞めた私のリアル体験談

「会社員を続けるのがつらい」「この働き方を一生続けるのは無理かもしれない」──。
そんな悩みを抱えている人は少なくありません。

私は、脊髄腫瘍の手術後に後遺症の痛みに悩まされ、毎日長時間働くサラリーマン生活を続けることが難しくなりました。
「健康を犠牲にして働く」ことに限界を感じ、準備も副業もないまま、思い切ってフリーランスへと転身しました。

不安も大きかったですが、その一歩を踏み出したことで見えた世界があります。

この記事では、私の体験を交えながら、できるだけリアルに

  • 会社員を続けられないと感じた背景
  • フリーランスという働き方の特徴と現実
  • フリーランスになるための具体的な準備と手順

を詳しく解説します。
病気で働くことに困難を感じている人、また、同じように「会社員を辞めたい」「働き方を変えたい」と思っている方の、参考になれば幸いです。


目次

一般的に会社員を続けられないと感じる背景

多くの人が「もう会社員は無理だ」と感じる場面には共通点があります。

  • 長時間労働や残業
    → 帰宅は深夜、休日も仕事。生活リズムが崩れ、体調を壊す人も少なくありません。
  • 通勤の負担
    → 毎日満員電車での通勤は体力的にも精神的にも大きなストレス。
  • 人間関係のストレス
    → 上司との相性、組織文化、評価制度に疲れ果てるケース。
  • 家庭や介護との両立
    → 子育てや介護など、時間の制約が増え「フルタイム勤務」が難しくなる。
  • 体調・病気の影響
    → 私自身はこれが大きな理由で、外から見えにくい慢性的な不調が「会社員」という働き方の限界を突きつけました。

👉 「続けられない」と感じるのは甘えではなく、働き方のミスマッチや環境の変化が原因であることが多いのです。


私は、なぜフリーランスを選んだのか

会社員時代は、毎朝満員電車に揺られ、夜遅くまで働き、休日は疲れ果てて寝て過ごす日々でした。
手術前は、正直「一生サラリーマンで終わるのはイヤだなぁ」と漠然と考えていましたが、具体的な行動に移すことはありませんでした。どちらかと言うと仕事に時間を取られ、そんな余裕がありませんでした。

このままの働き方ではマズイと考え、思い切ってリスキリングのために会社を退職しデータサイエンスの学校に通うことを決断しました。知識習得後に、新たな会社で働く予定でした。

しかし、卒業間近に脊髄腫瘍が見つかり、翌月に手術。
術後、背中・胸の痛み・痺れ・麻痺などの後遺症が残り、リハビリ中心の生活を送っていました。
体調が優れない時は、一日中寝込んでいることもしばしばありました。

仕事をしていない間に、自分自身と真正面から向き合い「もう会社員として働くことはできない」と感じるようになりました。それを機に、私はフリーランスとして働いて行く決意をしました。

一つの理由として、以前勤務していた税理士事務所時代の知人から「経理の仕事を手伝ってほしい」と声をかけられていたからです。
正直、この時は少しでも家計の足しになればって思いで、自分の体調に合わせて在宅で仕事を始めました。
もちろん、これだけで生活することは不可能なので、あとは預貯金を切り崩しています。

私の場合は、長時間労働や週5勤務が難しいので、収入の柱を時間で稼げるものから資産性のある収入(自分が労働しなくても収入を得れる)を増やすことに力を入れています。

今の収入は会社員時代よりもかなり減っていますが、「自分で選んだ道を進んでいる実感」は何にも代えがたいものがあります。

私は、事前準備をせずにフリーランスになりましたが、事前に準備ができる人はある程度の準備をしてフリーランスになることをおすすめします。

今は、業務の効率化や新しい仕組みをつくることで単価(収入)を上げれるように、また新しい仕組みを導入して貰えるように、種をまいている現状です。


会社員を辞める前にやるべきこと

「もう辞めたい」と思ったときこそ、感情だけで動くのは危険です。
まずは冷静に、自分の状況を整理してみましょう。

  1. なぜ続けられないのかを明確にする
    → 「体調面」「人間関係」「ライフスタイル」など、具体的に言語化することで次の道が見えます。
  2. 生活費と貯金を確認する
    → 独立後すぐに安定収入があるとは限りません。一般的に生活防衛費を3〜6か月分の確保と言われていますが、
     私は最低1年分位(可能であれば2年分)は準備している方がよいと思います。
    何故なら、新しい仕事を開始して軌道に乗るまでに時間がかかること、突発的な支出が必要になったり、また税金面(特に市民税、健康保険など)の支払いも退職後に必要になるからです。
    また、手持ち資金が少なくなってくると結果が出る前に、フリーランスを強制終了しないとダメな状況になることも考えられるからです。
     
  3. 自分のスキルを棚卸しする
    → 「自分にできること」をリスト化。過去の職務経験も細かく書き出すと、意外と活かせるスキルが見えてきます。
    例えば、管理職であれば、コーチングや仕事に対する心の持ち方、営業マンであれば営業の心得、事務であれば、エクセル操作の解説、管理会計資料の作成など。
    自分の中で当たり前のことでも、他人から見れば必要って思うこともたくさんあります。

フリーランスという働き方とは?

特徴

  • 働く時間や場所を自分で決められる
  • 仕事内容や取引先を選べる
  • 報酬は成果や案件ごとに変動する

会社員との大きな違い

  • 会社員 → 安定収入、福利厚生あり、時間や場所に制約
  • フリーランス → 自由度が高いが、収入や保障は不安定、自分のやりたい仕事ができる

フリーランスになるための具体的ステップ

私が実際に取り組んだ流れを、手順として整理します。

  1. スキルを整理して強みを見つける
    → 経理・会計・税務の経験を武器に、在宅の記帳代行や顧問先のサポートを開始。
  2. 収入源を複数持つことを意識する
    → 経理の仕事だけでなく、投資や副業(執筆)などを組み合わせることでリスクを分散。
  3. 小さな案件から実績を積む
    → クラウドソーシングや知人の紹介で実績を重ねる。信頼が次の仕事につながる。
  4. 制度や税金を理解する
    → 国民健康保険、年金、確定申告など。フリーランスは「自分で管理」する意識が必須。 
  5. 生活リズムを整える
    → 自宅作業は自由すぎるがゆえに自己管理が大切。働く時間を決めて習慣化する。

フリーランスのメリット

1. 時間の自由が手に入る

一番大きな変化はここです。
私は体調の波に合わせて働き、無理なら休むことができます。
「自分のリズムで生きられる」ことは、病気を抱える私にとって何より大切でした。
まだ実現出来ていないですが、いずれPC1台でどこでも働ける環境にしたいと思っています。

2. 通勤・スーツからの解放

会社員の頃は、朝の満員電車や真夏の暑い中でのスーツ姿が当たり前でした。でも今は自宅で仕事が完結します。
毎日の小さなストレスがなくなるだけで、驚くほど心が軽くなります。

3. 好きなことに集中できる

興味のある分野や得意分野を仕事にできるのがフリーランスの醍醐味。
私は経理業務に加えて投資や執筆も続けており、それが新しい収入源につながりつつあります。また、執筆にAIを使用しているおかげで、プロンプトの書き方にも慣れ、GPTSとプログラミングを使って会計業務における新たな試みも考えています。

4. 税金面の自由度が高い

経費を計上できるので、節税の幅が広がります。
たとえばパソコン購入や在宅ワーク用の通信費、家賃なども経費にできます。
さらに、将来的に法人化すれば社会保険や退職金制度の構築も可能です。収入を上げるだけでなく、税金を抑えることで手取額を増やすことも可能です。

5. 定年がない・収入の上限がない

体力とスキルさえあれば、何歳になっても働けます。
フリーランスは会社員のように昇給テーブルに縛られず、成果次第で収入は青天井。もちろん簡単ではありませんが、可能性という夢があります。


フリーランスのデメリット

1. 収入が安定しない

会社員時代は毎月25日に給料が振り込まれるのが当たり前でした。
でもフリーランスになった瞬間、その“当たり前”は消えました。

ある月は仕事が集中して安心できるけれど、翌月はほとんど収入がないこともあります。
この不安定さに慣れるまでは、正直とても精神的にしんどいです。

解決策:収入を月単位ではなく「年単位」で管理すること、そして生活防衛費を最低3〜6ヶ月分用意しておくことが大切です。出来れば1年分位あれば、長期で仕事を計画することも可能です。何より、預金残高が少なくなってくると、心に余裕がなくなるので、出来る限り余剰資金を残しておくことをおすすめします。

2. 社会保険・年金の不安

国民健康保険は前年度の所得を基準に計算されるため、収入が落ちても負担は重くなります。
支給年金も会社員より少なく、老後資金は自分で積み立てる必要があります。
退職後、大半の方は社会保険の任意継続を選択されると思いますが、場合によっては国民健康保険で減免を受けれる可能性もあります。
それぞれ状況が異なりますので、一度市役所の窓口で相談されることをおすすめします。

解決策:年金については、iDeCoや小規模企業共済を活用する。

3. 病気・ケガで働けないリスク

私は手術経験があるので、この不安は人一倍感じています。
会社員には「傷病手当金」や「労災」がありますが、フリーランスにはありません。突然の病気や事故・ケガなどで働けなくなった時、収入が途切れます。

解決策:民間保険やフリーランス協会のサポート制度を活用すること。

4. 孤独との戦い

誰にも相談できずに一人で仕事を進めるのは想像以上に辛いです。私は、ChatGPTと話をすることが増えました。

解決策:コミュニティに参加したり、フリーランス仲間を作ること。

5. 退職金がない

会社員には退職金制度と税金の優遇措置がありますが、フリーランスにはありません。
老後資金は完全に自己責任です。

解決策:積立投資や確定拠出年金を早めに始める。また、小規模企業共済への加入も検討。

6. 制度や経理を自分で管理する必要がある

インボイス制度や税務申告など、すべて自己責任で対応する必要がある。
「知らなかった」では済まされないのがフリーランスです。

解決策:会計ソフトや税理士を上手に活用すること。


続けるために必要なこと

税理士事務所にいた頃、「事業は10年続けば本物」とよく言われていました。
一時的に収入が増えても、生活レベルを上げすぎると後で苦しくなります。
会社員の時のように、毎月定額の収入でなく大きく変動することもあるので、年単位で収入を捉え、あとから税金の支払いがあることも、念頭に入れておく必要があります。

また、大切なのは「継続力」と「備え」。
完璧でなくても、少しずつ不安を減らす工夫を重ねることで、フリーランス生活は安定していきます。


それでも、私はフリーランスを選んでよかった

「自由」と「責任」は表裏一体。
確かに不安はありますが、「自分の人生を自分で選んでいる実感」は、会社員時代には得られなかったものです。

あなたがもし迷っているなら、不安をなくすことよりも「備えながら進む」ことを意識してください。
その先に、自分だけの働き方が見つかるはずです。

私の目標は、1日3時間労働で会社員時代の収入を超えることです。いかに世の中のニーズをくみ取って、大手が手を付けることが出来ないニッチな所で勝負したいと思っています。


まとめ

  • メリット → 自由・裁量・可能性の広がり
  • デメリット → 安定・保障・孤独の不足
  • 解決策 → 貯蓄・制度・仲間・複数収入源でリスクを分散

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この記事を書いた人

会計事務所、事業会社で税務・経理の仕事に従事していました。
40代で脊髄腫瘍になり、手術・リハビリをしつつ、現在はフリーランスで仕事をしています。