フリーランスとして働いていると、よく「自由でいいですね」と言われます。
たしかに、時間や場所に縛られないこの働き方は、理想のように聞こえます。
けれど実際には、“自由”を維持するには相応のスキルが必要です。
そのひとつが、「自分のペースで働く力」です。
フリーランスは“自由”より“責任”が大きい
フリーランスになると、誰にも指示されません。
納期もスケジュールも、すべて自分次第です。
だからこそ、働きすぎてしまうことが多い。
私自身、体調が戻った直後に仕事を詰め込みすぎて、
結果的に翌日、痛みで動けなくなることもありました。
急ぎの仕事が入ると「今しかない」と思って早くやりますが、
冷静に振り返ると「この仕事事前に発注できたのでは?」と思うことも多いんです。
結局、自分のペースではなく、相手のペースで働いていたんです。
“働きすぎ”の背景には仕組みの遅れがある
私は長く会計・経理の現場で仕事をしてきました。
この分野は特に、アナログな体質が根強く残っています。
いまだに紙の伝票、ハンコ文化、手入力の仕訳。
AIやRPAがこれだけ普及している時代に、
昔と同じ方法で処理を続けている会社が多いのが現状です。
外から見て改めて思うのは、
「ITスキルの差が、仕事量の差を生んでいる」ということ。
人が増えないのに、仕事は増え続ける。
それでも同じやり方で回しているから、
“時間”がいくらあっても足りなくなるのです。
私は経理の仕事自体は嫌いではありませんし、
今のやり方を非難している理由でもありません。
むしろ数字で物事を整理するのは好きです。
ですが、ここ数年会計は複雑化し、処理スピードも求められるようになった。
同じ人数・同じ方法では、もう限界だと感じます。
AIと共存できる人が、生き残る
私はこれからの時代、
「AIに仕事を奪われる人」と「AIと共存する人」に分かれると思っています。
AIを恐れるのではなく、“教える側”に回る意識が必要です。
自分の専門知識をAIに学習させ、効率化の道具として使いこなす。
そのスキルを身につけた人は、どんな環境でも働いていけます。
経理・会計の世界も例外ではありません。
人手不足と高齢化が進めば、手作業は限界を迎えます。
今後はAIや自動化を前提にした「監督・判断型」の仕事が増えるはずです。
つまり、“人にしかできない部分”に集中できる人が生き残る。
だからこそ、私もPythonやITスキルを学び直している最中です。
フリーランスは“仕組みを選べる”立場
会社員時代は、上司やルールに縛られ、
「効率化したい」と思ってもなかなか変えられませんでした。
でも、フリーランスなら違います。
どんなツールを使い、どんな働き方を選ぶか、すべて自分で決められる。
だからこそ、自分に合った“仕組み”を選ぶ力が問われます。
私は仕事を選ぶとき、
・仕組みが整っているか
・コミュニケーションが明確か
・報酬が妥当か
を必ずチェックします。
条件だけで飛びつくと、
“人手が足りない現場の穴埋め”になりがちです。
自由を守るには、「引き受けない勇気」もスキルのひとつだと思っています。
安請け合いして仕事を取ると、そのループから抜け出せなくなり新しい
勉強もできなくなり、給与を上げることも難しくなります。
会社員の安定は、もう安定ではない
企業は今後、利益が出ても給与を上げるよりも、
内部留保や外部投資にお金を回すようになるでしょう。
AIの導入が進めば、高コストな人材から削減される時代が来ます。
つまり、「会社にいれば安泰」という時代は終わりました。
外に出て、自分の力で仕事を作ること。
それが、これからの“真の安定”だと思います。
もちろん、フリーランスは簡単ではありません。
請求書、経費処理、申告、営業、すべて自分でやる必要があります。
それでも、自分の成長がそのまま収入や信頼に直結するのは大きな魅力です。
最後に
「自分のペースで働く」というのは、
怠けることではなく、長く働くための戦略です。
無理をすれば短期的には成果が出ても、
体を壊せばすべてが止まってしまう。
だから私は、
- 体調を基準に仕事量を調整する
- 学び続ける時間を確保する
- 他人のペースに流されない
この3つを意識しています。
そして何より、
自分にしかできない仕事を掛け合わせること。
それが、フリーランスとして“自由”を続ける唯一の道だと思います。
病気をして立ち止まった時間があったからこそ、
今は“自分のペースで働く”という選択の重みを、少しだけ理解できた気がします。
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