リハビリを続けながら、少しずつ「働く」という感覚を取り戻していきました。
ただ、あの頃のように全力ではもう働けません。
だから今は、“頑張らない働き方”を続ける努力をしています。
「働けること」が、当たり前ではないと知った
病気になる前は、仕事が日常の中心でした。
朝から晩までパソコンに向かい、時間に追われる毎日。
それが普通で、健康も体力も「あるもの」として扱っていた。
でも、ある日突然、
“働けない時間”を過ごすことになって初めて気づきました。
「働ける」ということ自体が、どれほど尊いことなのか。
もう以前のようには動けない。
それでも、今の体でできることがある。
それだけで十分、感謝できるようになりました。
そりゃ、悔しくないって言ったらうそになりますが、
どうあがいても、この体と付き合っていくしかないのです。
今までが、あたりまえにできたことに感謝してなかっただけなのです。
自分のペースを“守る”ことが、働き続ける秘訣
リハビリを続けながら働く生活は、
体調の波との付き合いでもあります。
朝から痛みが強い日もあれば、
前日より動ける日もある。
そんな中で私が意識しているのは、
「ペースを守る」ことを最優先にすること。
- 一日の予定を詰めすぎない
- 納期の短い仕事はしない
- リハビリ・通院を最優先する
- 無理をした日は、次の日は軽めに仕事をする
- 体調不良で何もできなくても良しとする
昔は「限界まで頑張る」のが美徳だったけれど、
今は「無理をしない努力」が、働く力を支えています。
“収入よりも、持続”という考え方
病気をしてから、働く目的も変わりました。
以前は、「稼ぐ」「成果を出す」「昇進する」ことがモチベーションでした。
でも今は、“続けられるかどうか”がすべての判断基準です。
少しずつでも続けていけば、
仕事は「支え」になり、
生活のリズムも「安定」に変わっていく。
たとえ収入が減っても、
自分の体と心を守れる働き方の方が、
ずっと価値があると思っています。
体が制限をくれたから、見えたもの
以前は、
「やるべきこと」に追われて、
「やりたいこと」を後回しにしていました。
でも、体が制限をくれたおかげで、
「今、本当に必要なことだけを選ぶ力」が身につきました。
- 1日を整えるための朝の時間
- 子どもとのゆっくりした時間
- コーヒーを飲みながら考える時間
どれも収入にはならないけれど、
心を豊かにしてくれる大切な時間です。
また、仕事についても限られた時間内に
やる工夫をする。
無駄なこと、非効率な事は極力やらない。
出来る限り、生産性の悪い仕事は断るようにしています。
仕事も本質を考えて取り組むようになりました。
もちろん、相手があっての事なので、無理して
仕事は取りに行きません。
働き方も、時間で稼ぐのではなく単価や資産で稼ぐように
今は考えています。
働く時間が制限されるのは、決してデメリットではなく
新しい働き方を創造するための、きっかけだと思っています。
「生き方を整える」ことが、仕事の土台になる
病気をしてから、仕事と生活の境界が薄れました。
それは悪いことではなく、むしろ自然なことだと感じています。
仕事のために生きるのではなく、
“生きるために働く”という感覚。
だからこそ、
- 睡眠を優先する
- 仕事はなるべく4時間までに抑える
- 体を動かすリハビリの時間の確保
それ以外の空いた時間は、考える時間として活用しています。
これらが私にとっての「仕事の準備」になりました。
働くことは、人生の一部。
だからこそ、心と体を整えることも仕事のうち。
“今の体で生きていく力”は、ゆっくりと戻っていく
昔のようなスピードでは進めません。
でも、確実に前に進めています。
できる範囲で仕事をして、
リハビリをして、
家族との時間を大切にする。
その繰り返しの中に、
「今の自分で生きていく力」が育っていくのを感じます。
体が変わっても、
私の人生は、ちゃんと続いている。
焦らず、比べず、
これからも“自分のペース”で働いていきます。
