会社員とフリーランスのメリット徹底比較|20年の会社員経験と独立体験から語るリアル

私は会社員として20年働き、その後、病気をきっかけにフリーランスへ転身しました。
両方の立場を経験して強く思うのは――

「どちらが優れている」という単純な答えはない ということです。

会社員には会社員の安定と制度の安心感があり、フリーランスにはフリーランスの自由と裁量の魅力があります。
ただ、実際に経験してみないと見えてこない「リアルな差」がたくさんあるんです。

この記事では、会社員とフリーランスそれぞれのメリットを整理しながら、私自身の体験談も交えて徹底比較しました。

読み終わったときに「自分にはどちらが合うのか」のヒントになれば幸いです。

目次

会社員のメリット(安定と保障)

1. 安定した収入 ―「毎月決まった額が入る」安心感

会社員の最大の魅力は、固定給が毎月必ず入ることです。
急な出費にも対応しやすく、住宅ローンや教育費の計画も立てやすい。

私自身、子どもが生まれた頃はこの安心感に本当に助けられました。お盆や正月で働く日数が減っても給料は同じ。生活リズムが崩れにくく、家族を安心させられる「心の支え」になっていました。


2. 賞与がある ― 半年に一度の“大きな加速”

会社員のもうひとつの大きな魅力はボーナス(賞与)
年1〜2回、まとまったお金が振り込まれる瞬間は、何度経験しても特別です。
この「まとまった収入がある」という安心感は、フリーランスでは得にくいものです。


3. 福利厚生 ― 「会社が半分払ってくれる」恩恵

健康保険や厚生年金だけでなく、住宅手当・家賃補助・食事補助…。
会社が社会保険料の半分を負担してくれるのは、数字以上に大きな安心材料です。

特に、家賃補助がある会社については、自身の給与で家賃を払うより実質手取額が増えることが魅力的です。
フリーランスになって自分で全額負担するようになってから、「あの恩恵は大きかった」と痛感しました。


4. 有給休暇・休業制度 ― 「休んでも給料が出る」

有給休暇・育休・介護休暇・慶弔休暇…。
法的に守られている休みの制度は、会社員だからこそ。
最近、特に男性の育休が柔軟になってきている会社が多いので、子育て世代は大きな利点だと思います。子育てで会社を休みながら給付金が月額金額の60%~70%貰える。この給付金には税金がかからないのも大きなメリットです。

5. 傷病手当金・労災 ― 長期の療養を支える制度

病気やケガで働けなくなったときに、最長1年6か月間、給料の約3分の2が支給される傷病手当金
これは会社員ならではの“守り”です。
傷病手当金で得た収入に関しては、税金はかからないところも大きな利点ではないでしょうか。フリーランスにはないセーフティネットです。


6. 退職金制度 ― 老後や転機を支える“一括資金”

長く勤めるほど退職金が積み上がり、老後資金や新生活の資金として活用できます。
退職金は一括でまとまったお金が手に入るため、心理的にも大きな安心材料。また、退職金は退職所得控除という大きな優遇措置があり、税金も優遇されている。
フリーランスにはない大きな制度です。


7. 厚生年金 ― 老後資金に直結する「2階建て」

国民年金に比べて受給額が多く、企業と折半で保険料を払ってくれるため、将来の年金額に差が出ます。
フリーランスになると「年金は自分で積み増すしかない」現実を突きつけられました。


8. 社会的信用力 ― 与信の壁の低さ

住宅ローンやクレジットカードの審査で有利です。取引先からの信頼も得やすく、営業や商談がスムーズに進むこともあります。
信用力は目に見えないけれど、日常のいろんな場面で効いてきます。


9. 学びと成長の機会 ― “給料をもらいながら”成長できる

OJT・資格支援・異動など、スキルアップの仕組みが整っています。独学では得にくい環境です。


10. 相談・サポート体制

人事・法務・産業医など、困ったときに相談できるのは大きい。
フリーランスは「全部自分で調べる」なので、安心感は段違いです。


フリーランスのメリット(自由と裁量)

1. 働く時間を自分で決められる

私は術後、体調に合わせて「午前だけ」「週3日だけ」と働き方を柔軟に変えました。
会社員なら不可能だった働き方です。
急な用事や体調不良があってもスケジュールを自分で動かせます。


2. 場所に縛られない

カフェ・旅先でも仕事可能。リモートワーク以上の自由度があります。
気分や季節に合わせて仕事場所を変えるのは、想像以上に心地よい。


3. 収入は青天井

スキルと営業力次第で会社員以上の収入も可能。
私は会計事務所の業務委託+執筆+投資の3本柱で、「複線型の収入」を作っています。


4. 仕事内容を選べる

やりたくない案件は断り、得意な仕事に集中できる。
精神的な満足度は会社員時代よりずっと高いです。


5. 定年がない

60歳・65歳で「はい、終了」とならない。
私は「ゆっくりでも長く働ける仕組み」を作りたいと思っています。


6. 税制メリットを活用できる

青色申告特別控除や経費計上で、節税が可能。
会計の経験を活かして、自分の“給与明細”を自分で作れる感覚です。


7. 複業・副業が自由

執筆や投資など、複数の収入源を持つことでリスク分散ができます。
「一本足打法」ではない安心感は大きい。


8. 人間関係のストレスが少ない

嫌な上司や社内政治に振り回されない。
独立して一番心が軽くなったのはここかもしれません。


9. 通勤が不要

毎朝の満員電車がないだけで、体力も時間も大幅に節約できる。
その分を家族との時間や学びに回せます。


10. 人脈が広がる

同業だけでなく、異業種・経営者・個人事業主とつながれる。
フリーランスになってからの人脈は、会社員時代では考えられない広がりでした。


比較して見えてきたこと

  • 収入の安定性
     会社員:固定給+賞与 → 精神的安心
     フリーランス:変動大だが上限なし
  • 老後資金
     会社員:厚生年金+退職金 → 老後有利
     フリーランス:国民年金+自助努力(iDeCo・NISA・共済)
  • 自由度
     会社員:時間・場所に制約
     フリーランス:時間・場所・仕事内容を選べる
  • リスク管理
     会社員:会社制度に守られる
     フリーランス:自分で備える必要あり
  • 税制
     会社員:毎月の給与から源泉徴収され、節税対策が限られている
     フリーランス:家賃・光熱費・通信費の経費などが経費計上でき、また法人化で節税対策がしやすい

私の結論 ― 両方を経験してたどり着いた答え

正直に言えば、もし病気にならなければ、私はいまだに会社員を続けていたかもしれません。
なぜなら、目先の収入面だけ見れば、会社員の方が圧倒的に有利だからです。

固定給、賞与、厚生年金、退職金、傷病手当金…。
これらはフリーランスになった瞬間に一気に消える制度であり、その代わりを自分で用意するのは簡単なことではありません。
しかも、節税対策を徹底しなければ、所得税・住民税・国民年金・国民健康保険料…。フリーランスは「収入が増えるほど税負担が重くなる」現実に直面します。

だから「安定と保障」という観点では、会社員に勝るものはありません。
短期的に見れば、やはり会社員の安定感は圧倒的だと僕は思います。


しかし――
40代で会社を辞め、フリーランスとして半年を過ごしてみて強く感じたのは、「長期的に見ると、会社員の安定に依存するのはむしろリスクになる」ということです。

なぜなら、年を重ねれば重ねるほど選べる仕事の幅は狭まり、自社でしか通じないスキルは社外に出た瞬間に無価値になる。
昇進や役職はその会社の中では通用しても、別の会社やフリーランスの世界では武器にならない。
つまり、会社員として守られ続けた結果、「守られることに慣れすぎて、自分で稼ぐ力が育たない」というリスクがあるのです。

私は病気をきっかけにその現実を突きつけられました。
もし、会社員のまま定年まで過ごしていたら――定年後、何もできないまま収入が途絶える未来が待っていたと思います。


だからこそ今、私ははっきりと言えます。

👉 会社員にせよ、フリーランスにせよ、 「国や企業が守ってくれる」と思ってはいけない。
これからの時代に必要なのは、「自分で自分を守る仕組みを持つ」ことです。

  • NISAやiDeCoでの資産形成
  • 副業やリスキリングによるスキル強化
  • 固定費の見直し
  • 複数の収入源づくり

どれも「病気や失業に備える保険」であり、同時に「人生の選択肢を広げる投資」になります。

つまり、私が両方を経験して得た結論はこうです。

  • 短期的に「安心」を求めるなら会社員。
  • 長期的に「自由と選択肢」を得たいならフリーランス。
  • そしてどちらにいても共通して大切なのは――
     「守られる安心に浸るだけでなく、自分で守る仕組みを作ること」

これが、20年の会社員生活と半年のフリーランス経験を経て、私が一番強く感じている教訓です。


まとめ:守られる安心か、自分で守る自由か

  • 会社員の強み → 安定・保障・信用力
  • フリーランスの強み → 自由・裁量・青天井の収入

答えは人それぞれです。
でも、ひとつ確実に言えるのは――

「今の立場が永遠に続く」と思わず、変化に備えること。

その備えがある人ほど、働き方も人生も、自分で選べる自由を持てます。

あなたは「守られる安心」と「自分で守る自由」、どちらを選びますか?

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この記事を書いた人

会計事務所、事業会社で税務・経理の仕事に従事していました。
40代で脊髄腫瘍になり、手術・リハビリをしつつ、現在はフリーランスで仕事をしています。