「今の仕事、自分には合っていないのかもしれない。」
そう感じることはありませんか。
仕事に行くのがつらい。
以前ほど仕事に意味を感じられない。
このまま何年も続けることを考えると、違和感がある。
そんな状態が続けば、
「転職した方がいいのではないか」
と考えるのも自然なことだと思います。
ただ、転職先を探す前に、一度考えてみたいことがあります。
本当に合っていないのは、「仕事そのもの」なのでしょうか。
それとも、今の仕事をしている「環境や条件」なのでしょうか。
仕事内容は嫌いではないけれど、管理職として働くのは合わない。
人と関わる仕事は好きだけれど、ノルマを追い続けるのはつらい。
専門的な仕事は好きだけれど、会社独自のルールや進め方には違和感がある。
こうした場合、仕事そのものを変えなくても、働き方を変えることで状況が変わる可能性があります。
逆に、勤務時間や人間関係などの条件が改善しても、その仕事をやりたいと思えないのであれば、仕事内容そのものを見直した方がいいかもしれません。
この記事では、「仕事が合わない」のか「働き方が合わない」のか分からないときに、何を分けて考えればいいのかを、私自身の経験も交えながら整理します。
「仕事が合わない」と一つにまとめない
「仕事が合わない」という言葉には、実はいろいろな問題が含まれています。
たとえば、
- 仕事内容そのものが好きではない
- 得意ではない仕事を求められている
- 責任が重すぎる
- 自分で判断できる範囲が少ない
- 会社の仕事の進め方が合わない
- 評価のされ方に納得できない
- 管理職という役割が合わない
- 職場の価値観に違和感がある
これらは、すべて同じ問題ではありません。
大きく分けるなら、
「何をするか」という仕事内容
と、
「どんな条件で、どのようにするか」という働き方
があります。
ここを分けないまま、
「この仕事は自分に向いていない」
と判断してしまうと、本当は残せたはずの経験やスキルまで捨ててしまう可能性があります。
反対に、仕事内容そのものが合っていないのに、勤務条件だけを変えても、違和感は残るかもしれません。
まず必要なのは、転職するかどうかを決めることではなく、
自分は今の仕事の「何」に違和感を持っているのか
を知ることだと思います。
仕事内容そのものが合っていないケース
まず考えたいのは、働く条件を変えても、その仕事をやりたいと思えるかどうかです。
たとえば、
残業がなくなったとしても、この仕事をしたくない。
人間関係が良くなっても、仕事内容に興味を持てない。
給与が上がったとしても、この仕事を続けたいとは思えない。
別の会社で同じ仕事をすることを想像しても、あまり魅力を感じない。
こうした場合は、会社や職場環境だけではなく、仕事内容そのものとの相性を考えた方がいいかもしれません。
ここで難しいのは、
「できる仕事」と「自分に合っている仕事」は必ずしも同じではない
ことです。
長く続けてきた仕事なら、当然経験があります。
周囲から評価されることもあります。
だから、
「自分にはこの仕事しかない」
「これだけ経験があるのだから、向いているはずだ」
と思いやすくなります。
でも、できるから続けている仕事と、自分が納得して続けたい仕事は同じとは限りません。
経験年数や能力だけでは、仕事との相性を判断できない部分もあります。
「向いている仕事」と「向いている環境」は違う
一方で、仕事内容そのものではなく、その仕事をする環境が合っていない場合もあります。
たとえば営業が嫌なのではなく、毎月強いノルマを追い続ける営業が合わない。
接客が嫌なのではなく、土日を含めた不規則な勤務が合わない。
経理が嫌なのではなく、管理職として人を管理しながら経理をすることが合わない。
同じ職種でも、
役割、責任、裁量、組織、仕事の進め方によって、感じ方は大きく変わります。
これは「向いている仕事」を探すときに、意外と見落としやすい部分だと思います。
「営業に向いている」
「経理に向いている」
「人と接する仕事に向いている」
という職種単位だけで考えるのではなく、
どんな環境なら、その仕事を無理なく続けられるのか
まで考えた方が、自分に合う仕事の形が見えやすくなります。
私も「経理が合わない」のかと思っていた
私自身、会社員時代には経理や会計の仕事を長くしていました。
経験もあり、仕事そのものができなかったわけではありません。
ただ、40代になった頃から、仕事に対する違和感が少しずつ大きくなっていきました。
管理職として自分の仕事だけではなく、部下の教育や管理もする。
通常業務をしながら、業務改善や効率化も求められる。
会社全体の仕組みを変えようとすれば、関係する部署との調整も必要になります。
求められる責任や仕事量が増えていく一方で、この条件で働き続けることに、以前ほど意味を感じられなくなっていました。
当時は、
「この仕事をこの先も続けたいのだろうか」
と考えていました。
でも今振り返ると、経理や会計そのものが嫌だったわけではありません。
私が強く違和感を持っていたのは、
経理という仕事そのものよりも、それを取り巻く役割や責任、会社の仕組みまで含めた「仕事の持ち方」だった
のだと思います。
同じ経理でも、条件が変われば感じ方も変わった
会社を辞めたあと、私は経理の仕事を完全にやめたわけではありません。
今も、これまでの経験を使って仕事をすることがあります。
ただ、会社員時代と同じ形ではありません。
短時間でできる。
在宅でできる。
必要な資料が整理されている。
単純作業を長時間続けるのではなく、これまでの経験を使って考える余地がある。
そういう仕事なら、今でも経理の経験を使うことに抵抗はありません。
反対に、同じ経理でも、単調な作業を長時間繰り返すような仕事であれば、今は積極的に続けたいとは思いません。
ここで私自身、一つ気づいたことがあります。
同じ人間が、同じ経験を使って、同じ「経理」という仕事をしていても、条件によって合う・合わないは変わる。
ということです。
だから今は、
「経理が自分に向いているか」
だけでは考えなくなりました。
それよりも、
「どんな条件なら、自分の経験を無理なく使えるのか」
を見るようになりました。
仕事選びを「職種」だけで考えないことは、私にとって大きな変化でした。
転職しても同じ問題が起きることがある
「今の仕事が合わない」と思ったとき、転職は分かりやすい選択肢です。
もちろん、会社を変えることで解決する問題もあります。
ただ、何が合っていないのかを整理しないまま転職すると、会社は変わっても同じ問題が起きる可能性があります。
たとえば、
管理職として働くことに違和感があるのに、次の会社でも管理職になる。
自分で仕事を変えられないことが苦しいのに、同じように裁量の小さい会社へ移る。
会社独自の複雑なルールに疲れているのに、似たような組織文化の会社を選ぶ。
仕事内容は変わっても、自分が嫌だった条件が残っていれば、しばらくすると同じ違和感が出てくるかもしれません。
だから転職するときも、
「次は何の仕事をするか」だけではなく、「今の何を変えたいのか」
を整理しておくことが大切だと思います。
仕事を変えることより、問題の原因を変えることを意識した方がいいのかもしれません。
仕事を変えずに「仕事の持ち方」を変える選択肢もある
仕事内容そのものが嫌いではないのであれば、これまで積み上げてきたものを全部捨てる必要はありません。
同じ経験を、
別の会社で使う。
違う役割で使う。
管理職ではなく専門職として使う。
雇用形態を変えて使う。
小さな仕事として使う。
本業ではなく、副業や業務委託として使う。
そういう方法もあります。
「仕事が合わない」と考えると、
今の仕事を続けるか、まったく違う仕事へ行くか
という二択になりやすいと思います。
でも実際には、その間にも選択肢があります。
これまで身につけた経験の中から使える部分だけを残して、合わない条件を減らしていく。
私自身も、結果としてそのような働き方になりました。
仕事そのものを捨てるのではなく、仕事との付き合い方を変えるという考え方です。
「フルタイムがきつい」とは分けて考える
ここで、もう一つ切り分けておきたいことがあります。
仕事内容は嫌いではない。
会社や役割にも大きな不満はない。
それでも、
「1日8時間、週5日働くこと自体がきつい」
という場合です。
この場合は、「仕事が向いているか」という問題とは少し違います。
働ける時間そのものに制約があるのであれば、仕事内容より先に、勤務時間や生活とのバランスを考える必要があります。
私はこの問題について、別の記事で詳しく整理しています。
仕事の適性と、働ける時間の問題を分けることも、原因を見つけるためには大切です。
「何の仕事が合うか」より「何なら変われば続けたいか」
もし判断に迷ったら、「働く条件が変わっても、この仕事を続けたいか」と考えてみると分かりやすくなります。
勤務時間や役割、会社、裁量などが自分に合う形になれば続けたいと思えるなら、仕事内容そのものより、働き方に違和感がある可能性があります。
反対に、条件が変わってもその仕事を続けたいと思えないのであれば、仕事内容そのものを見直した方がいいのかもしれません。
仕事に違和感があると、
「自分に向いている仕事は何だろう」
と考えたくなります。
もちろん、それを考えることにも意味があります。
ただ、いきなり理想の仕事を探すより、今の仕事を材料にした方が分かりやすいこともあります。
たとえば、
何が変われば、今の仕事を続けてもいいと思えるか。
役職が変われば続けたいのか。
会社が変われば続けたいのか。
裁量が増えれば続けたいのか。
仕事内容の一部が変われば続けたいのか。
それとも、どれだけ条件が変わっても、この仕事そのものを続けたいとは思わないのか。
この問いに答えていくと、
「仕事」が合わないのか、「働き方」が合わないのか
が少しずつ見えてきます。
合う仕事を探す前に、自分に合う条件を知る
私は以前、仕事を職種で考えることが多かったように思います。
経理なのか。
データ分析なのか。
別の仕事なのか。
でも今は、それだけでは足りないと思っています。
同じ経理でも、働く環境によってまったく違います。
逆に、違う職種へ移っても、自分に合わない条件が同じなら、また同じ問題を抱えるかもしれません。
だから、
「自分に合う仕事は何か」
を探す前に、
「自分はどんな条件なら働きやすく、どんな条件では違和感を持つのか」
を知っておく。
これは、仕事を選ぶときの一つの基準になると思います。
私自身も、最初から今の働き方が分かっていたわけではありません。
会社員として働いた経験があり、その中で違和感を持ち、会社を離れ、別の形で同じ経験を使ってみた。
その過程でようやく、
残したいものと、変えたいもの
が少しずつ分かってきました。
「仕事が合わない」と感じたことは、必ずしも、その仕事を全部捨てなければならないという意味ではありません。
もしかすると、
仕事ではなく、その仕事をしている条件の一部が合わなくなっているだけかもしれません。
転職するか。
今の会社に残るか。
まったく違う仕事をするか。
その答えを急いで出す前に、
自分は今の仕事の何を残したくて、何を変えたいのか。
一度そこから考えてみると、自分に合う働き方が少し見えやすくなるのではないでしょうか。
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