「転職した方がいいのだろうか。」
「それとも、今の会社に残った方がいいのだろうか。」
40代になると、仕事についてこんな迷いを持つことがあります。
今の会社に不満はある。
このまま働き続けることにも違和感がある。
だからといって、転職すれば今より良くなる保証もありません。
年収が下がるかもしれない。
これまでの経験が通用しないかもしれない。
新しい職場で一から人間関係を作る必要もあります。
家族や生活のことを考えれば、簡単に会社を辞めるわけにもいきません。
私自身も40代で会社を辞め、その後に転職活動を経験しました。
そこで感じたのは、40代の転職では、
「転職した方がいいか」だけを考えても、なかなか答えは出ない
ということです。
大切なのは、
今の会社に残る場合と転職する場合、それぞれ何が変わり、何が変わらないのかを整理すること。
この記事では、40代で転職するか今の会社に残るか迷ったときに、私自身の経験も交えながら5つの判断基準を整理します。
40代の転職は「今の会社が嫌か」だけでは決められない
仕事を辞めたいと思えば、
「では、転職しよう」
と考えるのは自然なことです。
しかし、40代になると、それほど単純ではありません。
これまで積み上げてきたキャリアがあります。
現在の給与や役職もあります。
家族との生活もあります。
そして転職先では、これまでの経験をどこまで活かせるのかという問題も出てきます。
一方で、
「40代だから転職は難しい」
という理由だけで今の会社に残り続けることが、自分にとって良い選択とも限りません。
転職にはリスクがあります。
しかし、今の会社に残ることにも、場合によってはリスクがあります。
だからこそ、
転職するか残るかを決める前に、「自分は何を変えたいのか」を整理する必要があります。
判断基準① 今の不満は「会社」の問題なのか「仕事」の問題なのか
まず考えたいのは、
今感じている不満は、会社を変えることで解決するのか
ということです。
たとえば、
- 上司や職場との人間関係
- 評価制度
- 給与水準
- 長時間労働
- 通勤時間
- 会社の方針
- 古い業務の進め方
こうした問題は、会社を変えることで改善する可能性があります。
一方で、
「そもそも今の仕事そのものを続けたいと思えない」
という場合は少し違います。
同じ職種で別の会社へ転職しても、会社は変わりますが、仕事内容そのものは大きく変わらない可能性があるからです。
私の場合、会社を辞めたいと考えるようになった理由は一つではありませんでした。
新しいことに取り組みたいという気持ちがあった一方で、会社には従来のやり方を変えにくい部分がありました。
さらに、長い労働時間が4年ほど慢性的に続いていたことも、退職を考える大きな理由でした。
だから私の場合は、
「会社を変えたい」という気持ちと、「これまでと同じ仕事のやり方を続けたくない」という気持ちの両方があった
のだと思います。
転職を考えるときは、まずここを分けて考えた方がいいと思います。
会社を変えれば解決するのか。
仕事内容を変えなければ解決しないのか。
それとも、働き方そのものを見直したいのか。
ここが曖昧なまま転職すると、会社を変えたあとに同じ悩みを抱える可能性があります。
判断基準② 今の会社の中で変えられる余地は残っているか
不満があるからといって、すぐに転職する必要はありません。
まず、
今の会社の中で状況を変えられないか
を考える方法もあります。
部署を異動する。
上司に相談する。
業務の進め方を改善する。
新しい仕事を提案する。
働き方について相談する。
こうした方法で問題が改善できるのであれば、転職という大きなリスクを取らなくても済みます。
私も最初から会社を辞めようと思っていたわけではありません。
むしろ、最初は会社の中で仕組みを変えたいと思って行動していました。
従来のやり方を改善したり、新しいことを取り入れたりすることで、仕事をより良くできないかと考えていたからです。
しかし、仕事の進め方には、その会社が長い時間をかけて作ってきた価値観や考え方が反映されています。
自分では「こちらの方が良い」と思っていても、会社側が同じように考えるとは限りません。
私の場合も、行動していく中で、仕事に対する価値観や考え方そのものに違いがあると感じるようになりました。
そして、それまでと同じ業務を同じように続けていくことにも、自分の中で意味を見いだしにくくなっていました。
そこで初めて、
「この会社の中で変える」のではなく、「自分が環境を変える」ことを考えるようになりました。
転職を考える前に、
「まだ今の会社でできることがあるのか」
を一度考えてみる。
それでも難しいのであれば、転職を考える理由もより明確になります。
判断基準③ やりたい仕事と「実務経験」がつながっているか
40代で転職を考えるとき、私が特に重要だと思うのがここです。
「やりたい仕事」と「採用されやすい仕事」は、必ずしも同じではありません。
私自身、会社を辞めたあと、これまでとは少し違う仕事に挑戦しようとしました。
学校で新しい知識を学び、経営管理に近い部署で働きたいと考えていました。
売上や利益をさまざまな角度から分析し、その情報を経営や意思決定に活かす。
そうした形で、経営や意思決定を支える仕事をしてみたいと思っていたからです。
しかし、実際に転職活動をしてみると、思っていた以上に厳しい現実がありました。
知識として学んでいても、その仕事を実務として経験したことがなければ、簡単には評価されません。
私が転職活動をしていたのは40代半ばでした。
その中で感じたのは、40代になると、
「これから経験を積んでもらう人」より、「これまでの経験をすぐに活かせる人」として見られる場面が多い
ということでした。
もちろん、40代から未経験の仕事へ転職できないという意味ではありません。
業界や職種、これまでの経験によって状況は大きく異なります。
ただ、私自身の転職活動では、
「学んだこと」と「実際に仕事としてやってきたこと」には、想像していた以上に大きな差がある
と感じました。
40代で転職を考えるなら、
「何をやりたいか」
だけでなく、
「これまでの経験のどこが、次の仕事につながるのか」
まで考えておいた方がいいと思います。
判断基準④ 転職した場合と残った場合を同じ条件で比べる
転職したい気持ちが強くなると、今の会社の悪いところばかりが目につくことがあります。
反対に、転職への不安が強くなると、
「今の会社にいた方が安全だ」
と考えたくなることもあります。
そこで一度、
残った場合と転職した場合を、同じ条件で比較してみる
と判断しやすくなります。
たとえば、
- 仕事内容
- 年収
- 労働時間
- 通勤
- 役職や責任
- これまでの経験を活かせるか
- 新しい経験を得られるか
- 自分が変えたい問題は解決するか
などです。
重要なのは、転職先のメリットだけを見るのでも、今の会社のデメリットだけを見るのでもないことです。
たとえば、
今の会社なら給与や立場は維持できる。
しかし、自分が変えたいと思っている仕事内容は変わらない。
別の会社へ転職すれば環境は変わる。
しかし、年収や役職が下がる可能性がある。
こうして比較すると、
自分が何を優先しているのか
が少しずつ見えてきます。
私の場合、これまで経験してきた経理分野であれば、新しい分野よりも経験を評価してもらえる可能性は高かったと思います。
しかし、以前と近い仕事へ転職して、これまでと同じような業務をこの先も続けることには迷いがありました。
つまり、
「転職できる仕事」と「これから自分がやりたい仕事」が一致していなかった
のです。
これは実際に転職を考えてみなければ、なかなか分からなかったことでした。
判断基準⑤ 「転職する・残る」の二択だけで考えない
転職するか迷っていると、
今の会社に残るか、別の会社へ転職するか。
この二択になりがちです。
しかし、実際にはその間にも選択肢があります。
たとえば、
今の会社に残りながら新しい知識を学ぶ。
転職市場を調べて、自分の経験がどのように評価されるのか確認する。
社内異動を検討する。
副業などを通じて、別の仕事を経験してみる。
生活費を整理して、どこまで収入条件を変えられるのか考える。
すぐに会社を辞めなくても、できることはあります。
私の場合は最終的に、これまでと同じ仕事へ転職するのではなく、自分で仕事を作っていく方向へ少しずつ切り替えていきました。
これは誰にでも合う方法ではありません。
会社員として転職する方が合う人もいれば、今の会社に残る方が良い人もいます。
大切なのは、
最初から選択肢を二つに限定しないこと
だと思います。
「今の会社しかない」と思えば、会社に残ることが苦しくなることがあります。
「転職するしかない」と思えば、条件の合わない転職を急いでしまうかもしれません。
選択肢を増やしてから決める。
40代だからこそ、そういう進め方があってもいいと思います。
40代の転職では「何を変えたいのか」を先に決める
40代で転職するか今の会社に残るか迷ったとき、
「転職した方がいい人」
「転職しない方がいい人」
という答えを探したくなるかもしれません。
しかし、私は年齢だけで答えを出すのは難しいと思っています。
それよりも先に考えたいのは、
自分は今の仕事の何を変えたいのか
ということです。
会社の環境を変えたいのか。
仕事内容を変えたいのか。
労働時間を変えたいのか。
新しい仕事に挑戦したいのか。
それとも、今までとは違う働き方を考えたいのか。
何を変えたいのかが分かれば、「転職する」「残る」だけではなく、自分に合った選択肢も見えやすくなります。
迷っているなら、まず「転職するか」ではなく「何を変えるか」を考える
40代になると、
「転職するなら早い方がいい」
と焦ることもあると思います。
もちろん、年齢が転職にまったく影響しないとは言えません。
しかし、焦って会社を変えても、自分が変えたかったものが変わらなければ、また同じことで悩む可能性があります。
だから、転職するか今の会社に残るか迷っているなら、最初に整理したいのは次の5つです。
- 今の不満は、会社の問題なのか仕事の問題なのか
- 今の会社の中で変えられる余地は残っているか
- やりたい仕事と、これまでの実務経験はつながっているか
- 転職した場合と残った場合で、それぞれ何を得て何を失うのか
- 転職と残留以外に選択肢はないか
ここまで整理したうえで、
「やはり環境を変えたい」
と思えば、転職を検討する。
逆に、
「今の会社でも変えられることがある」
と分かれば、残る選択もできます。
どちらを選ぶとしても、
「40代だから転職する・しない」ではなく、自分が何を変えたいのかを基準に選ぶ。
それが、転職するか残るか迷ったときの一つの判断基準になるのではないでしょうか。
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