以前の私は、働き方というものは、一つに決めるものだと思っていました。
会社員として働く。
転職する。
専門性を身につける。
独立してフリーランスになる。
どれか一つを選び、その道で収入を得られるようになれば安心できる。
長く会社員として働いていた頃は、それを特に疑っていませんでした。
毎月決まった給与が入る。
仕事も収入も一つの会社を中心に考える。
それが普通でした。
でも、病気になって会社員として働き続けることが難しくなったとき、その考え方が変わりました。
今の私は、むしろこう考えています。
働き方は、一つに決めない方が安心なのではないか。
一つの仕事を大きくするよりも、性質の違う仕事や収入をいくつか持っておく。
一つが止まっても、全部が止まらないようにする。
それが、今の私が考えている働き方です。
給与一本が不安だとは、会社員の頃には思っていなかった
会社員として働いていた頃、給与一本で生活することを危険だとは思っていませんでした。
むしろ逆です。
毎月給与が入ることを「安定」だと思っていました。
社会保険もあります。
病気になれば傷病手当金などの制度もあります。
だから、会社員として働いている間は、その仕組みの外側についてあまり考えることがありませんでした。
私がその弱さを意識したのは、病気になってからです。
これまでと同じように会社員として働くことが難しくなった。
制度に助けられる部分はありました。
でも、制度ですべてをカバーできるわけではありません。
働き方や状況によっては、その枠から外れることもあります。
そこで初めて、
私にとって、給与一本で生活することは本当に安定と言えるのだろうか。
と考えるようになりました。
会社が危ないからではありません。
給与がなくなると思っていたわけでもありません。
自分自身が、それまでと同じように働けなくなる可能性を考えていなかったのです。
会社員時代には見えていなかったリスクでした。
私は経理とは違う仕事をしたかった
ただ、会社を辞めたあと、最初から「いくつもの仕事を持とう」と考えていたわけではありません。
むしろ私は、キャリアチェンジをしたいと思っていました。
長く経理の仕事をしてきました。
経理では、会社で起きた取引を整理し、財務データとしてまとめ、会社の成績をできるだけ正確に表します。
もちろん大切な仕事です。
ただ、私自身は次第に、
過去を整理するだけではなく、先を見る仕事をしてみたい
と思うようになっていました。
そこで興味を持ったのがデータ分析でした。
PythonやR、統計などを学び、データサイエンスについて勉強しました。
これまでの経験だけで判断するのではなく、データを使ってこれから起きることを考える。
経理で扱ってきた数字を、未来の意思決定にも使えないだろうか。
そんな仕事をしたかったのです。
当時は、それが自分の「次の仕事」になるかもしれないと考えていました。
つまり私は、会社員という一つの働き方から離れようとしながら、また別の「一本」を探していたのだと思います。
でも、次の一本を決める必要はなかった
現在、私はフリーランスとして経理の仕事を少し受けています。
ただ、フリーランスとして何かを成し遂げたとは、まだまったく思っていません。
ブログも書いています。
アプリなど、これから仕事につなげたいと思っているものもあります。
でも、どれもまだ途中です。
経理の仕事も、それだけで生計を立てようとは考えていません。
むしろ、今後やりたい仕事やブログの隙間で、無理なくできる範囲にしています。
実際に経理の仕事を受けてみて、感じたこともあります。
経験があるので仕事にはできます。
一方で、内容によっては、会社員時代にやっていた仕事よりもスキルが後退しているように感じることもあります。
だから、
「経理の仕事をもっと増やせばいい」
とは思いませんでした。
すぐに収入になるからといって、それを自分の働き方の中心にする必要はない。
今の収入だけを見れば効率が悪くても、別のものを育てる時間を残した方がいい。
そう考えるようになりました。
すぐにお金になる仕事だけを選ばない
労働による収入には、とても分かりやすいところがあります。
働けば、その時間に応じて収入になります。
一方、ブログはそうではありません。
何時間かけて記事を書いても、その日に収入が発生するとは限りません。
何十本、何百本と書いても、ほとんど読まれない時期もあります。
もちろん、すぐにアクセスを集めやすいテーマを追う方法もあります。
でも、スピードを求められるテーマを次々と追い続ける働き方は、私には長く続けられるイメージが持てませんでした。
それよりも、すぐには大きな収入にならなくても、自分が長く書き続けられるものを育てたい。
そこで今は、「人生の再構築」というテーマを中心に書いています。
働き方に迷う。
病気で生活が変わる。
年齢を重ねて将来を考える。
家族と仕事のバランスに悩む。
人生を一度立ち止まって考え直す。
こうした問題は、流行が終わればなくなるものではありません。
そして、私自身が歳を重ねても書き続けられるテーマだと思っています。
だからブログについては、すぐに収入になることだけを目的にはしていません。
早く大きくすることより、細く長く続けられるものを作りたい。
目の前ですぐ収入になるものと、時間をかけて育てるもの。
その両方を持っていてもいいと思うようになりました。
配当も「おこづかい」ではなくなった
投資に対する考え方も変わりました。
以前の私にとって、配当はどちらかといえば臨時収入でした。
入ればうれしい。
ちょっとしたおこづかいのような感覚です。
でも今は違います。
生活するためのお金を、必ず労働だけから得なければならない理由はありません。
働いて得た1万円も、配当として入ってきた1万円も、お金としては同じです。
そう考えるようになってから、投資から得る収入も、生活を支える一つとして見るようになりました。
ただし、だからといって投資だけで生活を支えようとも思っていません。
相場は自分ではコントロールできません。
大きく下落することもあります。
投資だけに生活を支えてもらう形も、私が目指している「性質の違う支えを持つ状態」とは違います。
投資も一つの支えではある。
でも、それだけを唯一の支えにはしない。
私が考えているのは、そういう形です。
仕事を増やすことが、分散ではない
ここで一つ、以前とは考え方が大きく変わったところがあります。
私は、たくさん副業をすれば安心だとは思っていません。
経理の仕事を三つ持っても、すべて自分が働かなければ収入にならないのであれば、同じ性質の収入です。
体調などの理由で働けなくなれば、一緒に止まります。
それなら、仕事の数だけを増やしても、私が求めている安心にはなりません。
今考えているのは、
性質の違うものを持つことです。
経理は、働けば比較的早く収入になります。
ブログは、すぐには収入になりませんが、書いたものが残ります。
アプリや新しい仕事は、まだどうなるか分かりません。
投資からの収入は、自分の労働時間とは直接連動しません。
どれか一つだけで生活を完成させるのではなく、それぞれに違う役割を持たせる。
今の収入になるもの。
将来育つかもしれないもの。
自分が働かなくても入るもの。
そして、自分の経験や知識を積み上げていくもの。
そうやって考えると、働き方は必ずしも一つに決める必要がなくなりました。
まだ完成していないから、組み替えられる
もちろん、今の働き方が完成形だとは思っていません。
むしろ、まだ途中です。
ブログがどこまで育つか分かりません。
これから始めようとしている仕事が収入になるかも分かりません。
経理の仕事を今後どこまで続けるのかも決めていません。
投資環境も変わるでしょう。
でも、以前ほど「何を本業にするのか」を決めたいとは思わなくなりました。
一つを正解にしてしまうより、
状況に応じて比重を変えられる方がいい。
経理が必要なら少し増やす。
別の仕事が育てば、そちらに時間を使う。
ブログが育つなら続ける。
体調が悪ければ、労働時間を減らす。
その時々で組み替える。
完成していないことは、不安定であると同時に、変えられるということでもあります。
今の私は、そちらの方に安心を感じています。
一つに決めないことが、私にとっての再設計だった
会社員だった頃、私は毎月給与が入ることを安定だと思っていました。
病気になって、その前提が崩れました。
そのあと、新しいスキルを身につけて、別の一本を作ろうとしました。
でも今は、その一本を見つけること自体が答えではなかったと思っています。
経理。
ブログ。
これから作る仕事。
投資。
どれか一つを「これが自分の仕事です」と決める必要はありません。
そして、すべてを大きくする必要もありません。
一つが止まったときに、全部が止まらない。
環境が変わったときに、比重を変えられる。
体調が変わったときにも、働き方を組み替えられる。
私にとっての安心は、収入源をたくさん持つことではありませんでした。
一つに依存しなくても生きていける状態を、少しずつ作っていくこと。
それが、今の私が考えている働き方です。
働き方は、一つに決めなくてもいい。
むしろ一つに決めないからこそ、変化したときにも自分の生活を組み替えられる。
今は、そう思っています。
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