病気になって、「正しい選択」を探さなくなった話

― 何が正解か分からなくなった人へ ―

「この選択は正しいんだろうか」

そう考え続けて、
疲れていませんか。

転職するべきか。
独立するべきか。
続けるべきか、やめるべきか。

何が正解なのか分からない。
間違えたくない。

以前の私は、
常に“正しい選択”を探していました。

目次

正しい選択をすれば、未来は守れると思っていた

会社員時代、
私は経理の仕事をしていました。

数字の世界では、
正しい処理をすれば、正しい結果になります。

間違えなければ、事故は起きない。

だからどこかで、
人生も同じだと思っていたのだと思います。

情報を集め、
比較し、
最適解を選ぶ。

そうすれば、
大きな失敗は避けられる。

迷ったときほど、
成功例を探しました。

「これが正解だ」と
言い切ってくれる言葉を求めていました。


退職と、その後の発覚

私は病気が理由で会社を辞めたわけではありません。

もともと、
別の挑戦をしたいと考えて退職しました。

データサイエンスを学び直そうと、
学校に通い始めたタイミングで、
体の違和感がはっきりしてきました。

検査を受け、
脊髄腫瘍が見つかりました。

退職と病気は、
直接の因果ではありません。

けれど、
人生の選択と体の問題が、
同じ時期に重なったことは事実です。


手術は成功。でも、元には戻らなかった

違和感を放置せず、
すぐ病院に行き、
手術を受けました。

医師からは、
後遺症の可能性についても事前に説明がありました。

最善を尽くしたうえでの判断でした。

手術は無事に終わり、
腫瘍は摘出できました。

ただ、
術後に神経症状が残りました。

駅の階段を下るとき、
足に力が入りにくい。

以前なら無意識でできていた動作に、
意識を向けなければならない。

長時間の集中も難しい。

日常生活は送れる。
けれど、
「元通り」とは言えない状態でした。

ここで初めて理解しました。

正しい選択をしても、
すべてが元に戻るとは限らない。

医師の説明通り、
後遺症が残る可能性はあった。

それが現実になっただけとも言えます。

けれど体感としては、
「正しく動いたのに、想定外が残った」
という感覚でした。


正しさと結果は、完全には結びつかない

それまでの私は、

正しい → 安定する

という前提で生きていました。

でも現実は、

正しい → それでも不確実

でした。

これは悲観ではありません。

むしろ、
過信が外れただけです。

完璧な正解が存在する、
という前提のほうが幻想だったのかもしれません。


独立という選択を、どう捉えたか

退職は、
もともとやりたいことがあって決めた選択です。

病気が理由ではありません。

けれど、
術後の体で会社員に戻る未来を想像したとき、

「続けられるだろうか」

という問いが浮かびました。

長時間勤務。
通勤。
体力勝負の環境。

正しいかどうかではなく、
持続できるかどうか。

そこで私は、
判断基準を変えました。

これは正しいか?
ではなく、

これは続けられるか?

安定かどうかより、
壊れないかどうか。

この視点で見ると、
独立は“完璧ではないが、持てる選択”でした。


正解を探すのをやめたら、少し静かになった

今でも迷います。

投資の判断。
仕事の方向性。
ブログの設計。

けれど以前のように、

「これが唯一の正解か?」

とは考えなくなりました。

今の体で持てるか。
生活が回るか。
無理を重ねていないか。

その基準で決めると、
大きな後悔は残りません。

なぜなら、

“そのときの自分に持てる選択”だったと
言えるからです。


正解が分からないことは、異常ではない

もし今、

何が正しいのか分からない。
選択に疲れている。
決められない自分を責めている。

そんな状態なら、

正しさではなく、
持続を基準にしてみてもいいかもしれません。

壊れないかどうか。
続けられるかどうか。

そこから考え直すと、
選択は少しだけ静かになります。


おわりに

私はもう、
完璧な正解を探していません。

代わりに、
続けられる選択を重ねています。

遠回りかもしれない。
効率は悪いかもしれない。

でも、

持続できること。
壊れないこと。

それを優先するようになってから、
人生は以前より穏やかになりました。

正しさより、
持続。

病気は、
その順番を入れ替えていきました。

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この記事を書いた人

会計事務所・事業会社で約20年、税務・経理の仕事に従事。
40代で脊髄腫瘍を経験し、手術とリハビリを経て現在はフリーランスとして働いています。

このブログでは
・病気と働き方
・フリーランスという生き方
・人生の再設計
について実体験をもとに発信しています。

主なテーマ
・病気と回復
・働き方の再設計
・フリーランスの生活
・お金と生活防衛