生活費はいくらまで下げられる?働けなくなったときの「最低生活費」の計算方法

「もし働けなくなったら、毎月いくら必要なんだろう。」

「収入がなくなったとき、今の貯金でどれくらい生活できるのだろう。」

病気や退職などで収入が減る可能性を考えると、こうした不安を感じることがあるかもしれません。

毎月の生活費が30万円なら、1年間で360万円。

20万円なら240万円。

15万円なら180万円。

必要な生活費によって、同じ貯金額でも生活できる期間は大きく変わります。

私自身、以前は会社員として働いていました。

毎月決まった給与が入り、その収入の中で生活する。

もちろん家計を意識していなかったわけではありませんが、「最低いくらあれば生活できるのか」を細かく計算することはありませんでした。

しかし、会社を辞め、病気によって以前のように働けなくなってから、生活費に対する考え方が変わりました。

現在は投資による収入が中心で、必要に応じて資産を取り崩しながら、新しい仕事づくりにも時間を使っています。

ブログも運営していますが、現時点ではまだ収益につながっていません。

それでも、収益化には時間がかかることを最初から想定しています。

今の私にとって、生活費を管理することは単なる節約ではありません。

新しい仕事を育てるための時間を確保し、将来の選択肢を残すための準備でもあります。

この記事では、働けなくなったときに備えて、最低生活費をどう計算すればいいのか、私自身の経験も交えながら整理します。

目次

最低生活費とは、極限まで切り詰めた生活費ではない

最初に整理しておきたいのは、最低生活費の意味です。

ここでいう最低生活費とは、食費を極端に減らしたり、楽しみをすべてなくしたりした金額ではありません。

私が考えているのは、

収入が大きく減ったとき、一時的に生活を守るために切り替えられる支出ライン

です。

例えば、普段の生活費が月25万円だったとします。

その25万円の中には、生活を維持するために必要な支出もあれば、状況によって調整できる支出も含まれています。

すべてを同じように考える必要はありません。

大切なのは、

「何を削れるか」

だけではなく、

「何を残して生活したいのか」

も考えることです。

最低生活費は、できるだけ安く暮らすための目標金額ではありません。

働けなくなったときでも、自分や家族の生活を守るための目安です。

最低生活費を計算するために、支出を3つに分ける

最低生活費を把握するには、まず現在の支出を整理する必要があります。

私は、次の3つに分けると考えやすいと思っています。

① 生活を維持するために必要な支出

まずは、簡単にはなくせない支出です。

例えば、

  • 住居費
  • 食費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 医療費
  • 子どもの教育に必要なお金
  • 税金・社会保険料

などです。

ただし、これらも家庭によって必要な金額は異なります。

住居費が高い家庭もあれば、医療費の負担が大きい家庭もあります。

車が生活に欠かせない地域もあるでしょう。

ここでは無理に削減するのではなく、生活を維持するために必要な金額を把握することを優先します。

② 見直せる固定費

次に、毎月ある程度決まって発生する支出を確認します。

例えば、

  • スマートフォン料金
  • インターネット料金
  • 保険料
  • 車の維持費
  • サブスクリプション
  • 各種会費

などです。

固定費は、一度見直すと、その効果が継続しやすいという特徴があります。

月5,000円の支出を減らせれば、年間6万円。

月1万円なら、年間12万円です。

毎日の食費を細かく削るよりも、固定費を見直す方が負担を抑えられる場合があります。

ただし、解約費用や代替サービスの費用が発生することもあるため、実際にいくら減るのかを確認する必要があります。

③ 状況に応じて調整できる支出

最後は、収入の状況によって調整できる支出です。

例えば、

  • 外食
  • 旅行
  • 趣味
  • 衣服
  • 娯楽
  • 大きな買い物

などです。

これらは、生活を維持するために絶対必要とは限りません。

しかし、すべてをゼロにすればいいわけでもありません。

特に家族がいる場合、自分一人の判断で削れない支出もあります。

そのため、単純に「不要な支出」とするのではなく、一時的に減らせるものと、できるだけ残したいものに分けて考えます。

最低生活費を実際に計算してみる

それでは、具体的な金額で考えてみます。

例えば、現在の毎月の支出が25万円の家庭を想定します。

支出項目現在の毎月の支出見直し後
住居費80,000円80,000円
食費60,000円50,000円
水道光熱費20,000円20,000円
通信費15,000円10,000円
保険料15,000円10,000円
車関連費30,000円0円
娯楽・外食費20,000円10,000円
その他10,000円10,000円
合計250,000円190,000円

※計算方法を説明するための仮の金額であり、私自身の家計ではありません。車関連費を0円にできるのは、車を手放し、代替交通費が別の項目に含まれている場合などに限られます。

この表は計算方法を示すための例です。実際には、医療費や教育費、税金・社会保険料など、各家庭で必要な支出を漏れなく加えたうえで最低生活費を計算してください。

この例では、

通常の毎月の支出:25万円

見直し後の毎月の支出:19万円

となります。

差額は月6万円。

年間では、

6万円 × 12か月=72万円

です。

ただし、この19万円をそのまま最低生活費と決めるのは早いと思います。

なぜなら、毎月の支出だけでは把握できないお金があるからです。

毎月の生活費だけでなく、年間の支出も計算する

家計を考えるとき、意外と見落としやすいのが、毎月発生しない支出です。

例えば、

  • 家電の買い替え
  • 冠婚葬祭
  • 車検や車の修理
  • 住宅の修繕
  • 固定資産税
  • 年払いの保険料
  • 帰省などの臨時交通費

といったものです。

毎月の家計簿には出てこなくても、年間で考えると無視できない金額になることがあります。

私自身は現在、賃貸住宅に住んでいるため、持ち家の固定資産税や建物の大規模修繕費を直接負担することはありません。

しかし、家電の買い替えや冠婚葬祭など、突発的な支出がなくなるわけではありません。

そのため、最低生活費を計算するときは、こうした支出も含めて考える必要があります。

例えば、年間の臨時支出を24万円と見積もった場合、

24万円 ÷ 12か月=月2万円

となります。

先ほどの見直し後の毎月の支出19万円に加えると、

19万円+2万円=月21万円

です。

これが、年間の臨時支出まで考慮した生活費の目安になります。

同じ条件で通常の生活費も計算すると、

25万円+2万円=月27万円

となります。

つまり、この例では、年間の臨時支出を含めた生活費が、月27万円から月21万円に下がる計算です。

さらに、病気や家電の故障など、予測できない支出に備える予備費も必要に応じて考えます。

つまり、

最低生活費=毎月必要な支出+年間臨時支出の月割額+必要な予備費

という考え方です。

なお、ここでいう年間臨時支出は、毎月の支出に含めていないものを集計します。年払い保険料などを二重に計上しないように注意が必要です。

毎月の支出だけを減らして安心するのではなく、年間を通じていくら必要なのかを確認することが大切です。

私が実際に見直したのは、車・通信費・飲酒に関する支出

ここからは、私自身の経験です。

生活費を見直す中で、特に大きかったのは車に関する支出でした。

車を持つことが当たり前ではなくなった

以前は車を所有していました。

しかし、車には購入費用だけでなく、保険料、税金、車検、駐車場代、ガソリン代など、さまざまな費用がかかります。

そこで、車を所有すること自体を見直しました。

現在は、必要なときにカーシェアリングなどを利用しています。

もちろん、カーシェアリングにも費用はかかります。

それでも、常に車を所有する場合と比べて、利用頻度に応じて支出を調整しやすくなりました。

そして、もう一つ気づいたことがあります。

車がなければ、車がない生活に合わせて行動が変わっていくということです。

以前は必需品だと思っていたものでも、生活の仕組みを変えることで、必ずしも所有しなくてよくなる場合があります。

今では、私にとって車は必需品ではなくなりました。

ただし、これは交通環境や家族構成によって異なります。

車が必要な家庭まで、無理に手放すべきだとは思いません。

重要なのは、今まで当たり前に支払っていた費用を、一度見直してみることです。

スマートフォンも格安料金に変更した

通信費も見直しました。

現在は格安の通信サービスを利用しています。

スマートフォンは生活に必要ですが、必ずしも高額な料金プランを契約する必要はありません。

自分の利用状況に合ったプランにすることで、通信費を抑えられる場合があります。

毎月の削減額はそれほど大きくなくても、年間で考えると差が生まれます。

お酒をやめたことで、支出も生活も変わった

私の場合、支出の変化として大きかったのが飲酒です。

病気になり、手術を受けた後もしばらくはお酒を飲んでいました。

しかし、現在は薬を継続して服用していることもあり、完全にお酒をやめています。

これは節約を目的に始めたことではありません。

健康や身体のことを考えた結果です。

ただ、お酒をやめると、当然ながら飲酒代がかからなくなります。

飲み会への参加も必要最低限になりました。

結果として、飲酒に関連する支出も減りました。

私自身、健康面でも良い変化を感じています。

この経験から思うのは、生活費の見直しは、単に安いものを選ぶことだけではないということです。

生活習慣そのものが変われば、必要な支出も変わっていきます。

税金や社会保険料は、目先の金額だけで判断しない

最低生活費を考えるとき、私が特に注意しているのが税金と社会保険料です。

現在、私の収入は配当や株式の売却益など、投資によるものが中心です。

そのため、確定申告をするかどうかについても、毎年慎重に考えています。

例えば、配当所得などを申告すると、源泉徴収された所得税の還付を受けられる場合があります。

しかし、申告によって住民税や国民健康保険料などに影響することもあります。

所得の判定方法によっては、給付金や各種支援制度の対象になるかどうかにも関係します。

そのため、私は単純に、

「確定申告をすれば税金が戻ってくるから得だ」

とは考えません。

所得税の還付額だけでなく、住民税・健康保険料・利用できる制度への影響も含めて、家計全体で判断するようにしています。

なお、上場株式等の配当所得・譲渡所得の申告方法や社会保険料への影響は、口座の種類、所得の状況、加入している保険制度、適用年度などによって異なります。

特に、所得税と個人住民税で異なる課税方式を選択できた従来の取扱いは、令和6年度の個人住民税から変更されています。

そのため、過去の節税方法が現在も同じように使えるとは限りません。

制度を確認する際は、国税庁や自治体などの最新情報を確認することが必要です。

ここで伝えたいのは、細かな節税テクニックではありません。

毎月の支出を減らすだけでなく、税金や社会保険料も含めて、年間の家計全体を見ることが大切だということです。

最低生活費が分かると、何か月働かずに生活できるかが見える

最低生活費を把握するメリットは、支出を減らせることだけではありません。

手元のお金で、どれくらいの期間生活できるのかを計算できるようになります。

例えば、生活費として使える現金を300万円確保しているとします。

先ほどの計算例では、年間の臨時支出を含めた通常生活費は月27万円、最低生活費は月21万円でした。

通常生活費が月27万円なら、

300万円 ÷ 27万円=約11.1か月

です。

一方、最低生活費が月21万円なら、

300万円 ÷ 21万円=約14.3か月

になります。

同じ300万円でも、生活費を見直すことで、計算上は約3.2か月分の余裕が生まれることになります。

これは、収入が一切なく、生活費が一定であると仮定した単純計算です。また、例示した生活費以外に必要な税金・社会保険料などがあれば、実際に生活できる期間は変わります。

実際には物価の上昇や突発的な支出もあります。

また、投資資産を保有している場合は、相場によって評価額や受け取れる収入が変動します。

そのため、株式などの資産をすべて現金と同じように考えることには注意が必要です。

それでも、最低生活費を知っておけば、

「今あるお金で、どれくらいの時間を確保できるのか」

を考える目安になります。

私にとって、この時間はとても重要でした。

生活防衛資金があったから、働き方を選び直す時間を持てた

私は、会社を辞めた後、すぐに次の仕事を探さなければ生活できない状態ではありませんでした。

生活防衛のための資金を準備していたからです。

そのおかげで、仕事についてじっくり考える時間がありました。

その後、病気によって以前のように働くことが難しくなり、会社員として働く道を諦め、自分で仕事を作る方向へ進むことを選びました。

もし生活費のために、すぐに収入を得なければならなかったら、同じ判断ができたかどうか分かりません。

生活防衛資金があったことで、仕事を急いで決める必要がなく、自分の身体やこれからの働き方を考える余裕を持てました。

現在は、ブログなどの新しい仕事を育てることにも時間を使っています。

ただし、ブログはまだ収益化できていません。

将来必ず収入につながるという保証もありません。

だからこそ、生活費を把握し、資産がどれくらいの期間持つのかを考えることが必要だと思っています。

私は今、生活のために資産を使っている一方で、将来の収入源を育てるための時間を確保しているとも考えています。

以前のように、毎月の給与を受け取り、その中から生活費を支払う形とは違います。

今は、限りある資金と時間をどう配分するかを考えながら生活しています。

生活費を支払うこと自体が投資になるわけではありません。

しかし、生活を維持できる期間を確保することで、新しい仕事に取り組む時間を持つことはできます。

その時間を無制限に使えるわけではないからこそ、最低生活費を把握する意味があると感じています。

生活費を減らしても、子どもの経験は削らない

一方で、私は生活費を下げれば下げるほどいいとは考えていません。

特に、子どものための支出については、できるだけ削らないようにしています。

例えば、子どもを遊びに連れて行くこと。

家族で外食すること。

子どもがやってみたいと思ったことにお金を使うこと。

こうした支出は、家計簿の上では娯楽費や外食費に分類されるかもしれません。

しかし、私にとっては単なる娯楽費ではありません。

子どもが新しいことを経験したり、家族で時間を過ごしたりするためのお金でもあります。

もちろん、何でも無制限にお金を使えるわけではありません。

それでも、生活費を下げるために、子どもの経験まで一律に削ってしまうことは避けたいと思っています。

車を所有しない。

通信費を見直す。

お酒をやめる。

そうした支出を減らす一方で、家族にとって大切なことにはお金を使う。

私が考える最低生活費は、単に金額を小さくすることではありません。

自分や家族にとって大切なものを残しながら、どこまで生活費を調整できるのかを考えることです。

通常生活費・調整生活費・最低生活費の3段階で考える

ここまで整理すると、生活費を一つの金額だけで管理する必要はないことが分かります。

私は、次の3段階で考える方法が分かりやすいと思っています。

区分毎月の支出年間臨時支出の月割り合計
通常生活費25万円2万円27万円
調整生活費23万円2万円25万円
最低生活費19万円2万円21万円

※金額は説明用の例です。ここでは比較条件をそろえるため、年間臨時支出をすべて月2万円と仮定しています。実際には生活段階に応じて変わる場合があります。また、医療費や教育費、税金・社会保険料など、必要な支出は各家庭の状況に合わせて加えてください。

このように分けておけば、収入が減ったときに、いきなりすべての支出を削る必要はありません。

まずは調整生活費へ切り替える。

それでも難しければ、最低生活費を基準に考える。

収入の状況に応じて、生活側にも調整する余地を持たせることができます。

そして、最低生活費は一度計算して終わりではありません。

家族構成が変わる。

子どもが成長する。

住む場所が変わる。

医療費が増える。

物価が上がる。

こうした変化によって、必要な金額も変わります。

そのため、少なくとも年に一度、あるいは生活環境が大きく変わったときには見直しておくとよいと思います。

最低生活費を知ることは、将来の選択肢を守ること

以前の私は、毎月給与が入ることを前提に生活していました。

今は、働ける時間にも収入にも制約があります。

だからこそ、

「どうすればもっと稼げるか」

だけではなく、

「自分たちは最低いくらあれば生活できるのか」

を考えるようになりました。

生活費を下げる目的は、我慢を増やすことではありません。

何を守り、何を見直し、どれくらいの時間を確保できるのか。

最低生活費を把握することは、その判断のための準備です。

収入を増やすことだけが、生活を安定させる方法ではありません。

必要なお金を把握し、支出を調整できる状態を作る。

それもまた、働けなくなったときに、自分と家族の選択肢を守る方法だと思っています。


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最低生活費を把握したら、次に考えたいのは、働けない期間があっても、生活全体が止まらない仕組みをどう作るかです。

▶ 「働けないかもしれない」を前提にした人生設計

病気を経験した私が、収入や働き方だけでなく、暮らし全体をどのように考え直したのかをまとめています。


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この記事を書いた人

会計事務所・事業会社で約20年、税務・経理の仕事に従事。
40代で脊髄腫瘍を経験し、手術とリハビリを経て現在はフリーランスとして働いています。

このブログでは
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について実体験をもとに発信しています。

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