「辞めたい」と思いながら働いていた頃
「仕事を辞めたい」
そう思ったことがある人は、
多いと思います。
ただ実際には、
“辞めたい理由”を冷静に整理できる状態の人ばかりではない気がします。
毎日仕事に追われて、
気づけば1日が終わる。
帰宅は遅い。
休日は疲れて寝て終わる。
そしてまた月曜日が来る。
そんな生活を続けていると、
「なぜ辞めたいのか」を考える余裕すらなくなってくる。
私自身、
以前そういう時期がありました。
当時の私は中途採用で転職をしていて、
会社からは即戦力として期待されていました。
もちろん、
期待されること自体は悪いことではありません。
ただ現実には、
通常業務をこなしながら、
業務改善や効率化も求められる。
しかも、
改善活動は“空いた時間にやるもの”という空気も強かった。
だから結局、
日中は通常業務。
改善作業はそのあと。
気づけば毎日遅くまで働いていました。
業務量も多かったですが、
それ以上にしんどかったのは、
「期待に応え続けないといけない感覚」
だった気がします。
改善案を出す。
効率化を考える。
新しいことを覚える。
問題があれば対応する。
そういうことを続けていると、
会社の中で“便利な人”にはなっていきます。
でも、
給与が大きく上がるかと言うと、
そうでもない。
中途社員の場合、
従来の社員と同等か、
場合によってはそれ以下ということもある。
成果主義と言われても、
実際には賞与が少し増える程度。
もちろん、
会社によって違いはあると思います。
ただ、
少なくとも当時の私は、
「ここまでやって、この評価なのか」
と思うことが増えていました。
改善する人ほど苦しくなる構造
しかも、
改善をやる人ほど仕事が増える。
逆に、
最低限だけやる人の方が、
結果的に楽そうに見えることもある。
そういう構造を見ていると、
今の若い世代が言う
“静かなる退職”
の感覚も、
少し分かる気がしたんです。
もちろん、
何もしない方がいいと言いたいわけではありません。
ただ、
会社に全力を注ぎ続けても、
それが自分の人生に返ってくるとは限らない。
だったら、
自分の時間を使って、
別の力を身につけた方が合理的ではないか。
そんなことを考えるようになっていました。
特に最近は、
若い世代の給与を上げる企業も増えています。
それ自体は悪いことではないと思います。
ただ一方で、
40代以降の世代は、
給与据え置き。
もしくは微増。
役割や責任だけ増えていく。
そうなると、
中年世代のモチベーションが落ちていくのも、
ある意味当然だと思うんです。
もちろん、
会社側にも事情はあると思います。
でも、
こういう構造の中で働いていると、
だんだん
「自分は何のために働いているんだろう」
という感覚が強くなっていきました。
私は仕事が嫌だったわけではなかった
ただ、
今振り返ると思うんです。
私は、
“仕事そのもの”が嫌だったわけではなかった。
むしろ、
働き方を選びたかったのだと思います。
自分が意味を感じられる仕事。
納得できる仕事。
自分の力が積み上がっていく感覚がある仕事。
そういうものを、
どこかで求めていた気がします。
だから当時、
「もっと新しい知識を身につけたい」
という気持ちも強くなっていました。
今のまま働き続けることに、
あまり意味を感じなくなっていたんです。
もちろん、
現実は簡単ではありません。
新しい知識を身につけたからと言って、
中年男性を積極的に採用してくれる会社ばかりではない。
年齢の壁もある。
経験の壁もある。
未経験分野に飛び込む難しさもある。
それでも、
このまま何も変わらず、
毎日消耗し続ける未来に対して、
私はかなり強い違和感を持っていました。
「辞めたい」の前に、自分と向き合う時間がなかった
ただ当時は、
その違和感をうまく言語化できていなかったと思います。
今なら、
「働き方への違和感」
だったと整理できます。
でもその頃は、
とにかく毎日時間がなかった。
自分と向き合う時間もない。
何が嫌なのか。
何をしたいのか。
本当はどう働きたいのか。
そこまで考える余裕がありませんでした。
だから先に出てきた感情が、
「辞めたい」
だったのだと思います。
もしかしたら私は、
仕事を辞めたかったというより、
一度立ち止まる時間が欲しかったのかもしれません。
実際、
辞めたいと思っている時って、
冷静に理由を整理する余裕はあまりありません。
でも今思うのは、
辞める前に、
“何を重視したいのか”
は考えておいた方がいいということです。
転職する前に考えておいた方がいいこと
長時間労働が嫌なのか。
給与なのか。
やりがいなのか。
成長なのか。
人間関係なのか。
働く場所なのか。
そこが整理されていないと、
転職しても、
「思っていたのと違う」
となる可能性があります。
例えば私は、
長時間労働にかなり疲れていました。
でも仮に、
労働時間が短い会社に転職できたとしても、
今度は
「給与が低い」
という不満が出ていた可能性もあると思っています。
結局、
どこかに不満は出る。
だからこそ、
“何を優先するのか”
を決める必要がある。
そして最終的には、
「自分は何をして生きていきたいのか」
ここに行き着く気がします。
もちろん、
給与は大事です。
生活がありますから。
でも、
給与って実はかなり不確定なんですよね。
業績で賞与は変わる。
賃金テーブルも変わる。
経営方針も変わる。
会社の状況で、
簡単に前提が変わってしまう。
だから私は、
会社に人生を預け切ることに、
少し怖さを感じるようになっていました。
会社に依存しすぎることへの違和感
それよりも、
「他の会社でも通用する力をつけられるか」
の方が重要だと思うようになったんです。
つまり、
“稼ぐ力”
です。
どこでも使える知識。
応用できる経験。
自分で仕事を作れる力。
そういうものがある方が、
長い人生では強い気がしたんです。
だから当時の私は、
「この会社で何を得られるのか」
をかなり考えていました。
単に給料をもらうだけではなく、
この経験は他でも通用するのか。
普遍性があるのか。
将来、
自分一人でも使える知識なのか。
そういう視点で、
仕事を見るようになっていました。
逆に言うと、
会社の中でしか通用しない仕事ばかりしていると、
どこか不安だったんです。
退職前に準備していたこと
実際、
私は次の会社を決めずに退職しました。
これは、
かなり不安でした。
ただ、
当時は本当に時間がなかった。
引き継ぎも多かったですし、
毎日帰宅が遅く、
転職活動をまともにする余裕もありませんでした。
だから、
先に辞めるという選択をしました。
もちろん、
これは誰にでも勧められる話ではありません。
普通、
退職してから転職活動をすると、
次が決まるまでの生活費が必要になります。
だから私は、
かなり前から生活防衛資金は準備していました。
「いつ辞めてもいい状態」
を、
ある程度作っていたんです。
これはかなり大きかったと思います。
もし貯金がなければ、
本当は行きたくない会社でも、
生活のために入らざるを得なくなる。
そうなると、
また同じことを繰り返す可能性もある。
だから私は、
最低でも半年。
できれば1年くらいは、
生活できる資金がある方がいいと思っています。
なぜなら、
預金が減ってくると、
人は冷静な判断ができなくなるからです。
焦り始める。
妥協する。
不安が強くなる。
だから、
辞める前に、
自分が毎月どれくらい使っているのか。
最低限いくら必要なのか。
それを把握しておくことは、
かなり重要だと思います。
病気によって、強制的に働き方が変わった
そして実際には、
私はそのあと、
新しい会社に入る前に病気になりました。
働くこと自体が、
難しくなってしまったんです。
だから結果的には、
強制的に仕事を辞める形になりました。
ただ、
以前から
「今後どうやって生きていくか」
を考えていたことは、
少し支えになりました。
生活防衛資金。
投資。
配当収入。
昔の同僚からの仕事の相談。
そういうものが、
最低限の土台になっていました。
もちろん、
最初から全部うまく準備できていたわけではありません。
不安もありました。
迷いもありました。
でも今振り返ると、
あの頃からすでに、
私は
“働き方を変えたい”
と思っていたんだと思います。
そしてそれは、
単に楽をしたかったわけではなく、
「このままでは、自分が壊れる」
という感覚だったのかもしれません。
まとめ|辞めたいと思ったとき、本当に考えるべきこと
今思うのは、
「辞めるかどうか」
だけを考えると、
苦しくなるということです。
本当に重要なのは、
自分は、
どう働きたいのか。
何を大切にしたいのか。
どんな人生を送りたいのか。
そこなのだと思います。
もちろん、
現実は綺麗ごとだけではありません。
生活費も必要です。
年齢の不安もある。
転職市場の厳しさもある。
家族がいれば、
なおさら簡単ではない。
でも、
無理を続けた先に、
必ず幸せがあるとも限らない。
だから私は、
一度立ち止まって考える時間は、
必要だったと思っています。
また、
病気を経験してから、
私は「働ける」と「無理できる」は違うと考えるようになりました。以前のように働けなくなって気づいたことについては、
こちらの記事でも書いています。
そしてもし今、
「仕事を辞めたい」
と思っている人がいるなら、
すぐに答えを出さなくてもいい。
でも、
“なぜそう思っているのか”
だけは、
少しずつ整理していった方がいいと思います。
その違和感の中に、
これからの働き方を考えるヒントが、
隠れているかもしれないからです。
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