病気を経験してから、
私は「復職」や「再就職」を目指しませんでした。
逃げたわけではありません。
簡単に決めたわけでもありません。
むしろ、その選択にたどり着くまで、
何度も迷い、何度も立ち止まりました。
「戻ること」が前提になっていた
働けなくなったとき、
周囲から自然に聞こえてきたのは、
「いつ頃、復職できそうですか?」
「再就職は考えていますか?」
という言葉でした。
疑問に思ったのは、
なぜ“戻る”ことが前提になっているのか、という点です。
体は万全ではない。
痛みの波もある。
同じ働き方を続けたら、また壊れる可能性が高い。
それでも「元に戻る」ことが正解なのか。
その問いが、ずっと頭から離れませんでした。
楽に決めたわけではない
正直に言えば、
復職や再就職を目指さないと決めるまで、
かなり悩みました。
40代後半。
特別な能力があるわけでもない。
将来の保証もない。
「この判断で本当にいいのか」
「逃げだと思われないか」
そんな不安を、何度も行き来しました。
ただ一つ確かだったのは、
無理に戻ろうとする自分が、一番苦しかったという事実です。
収入があったから選べた、わけではない
誤解がないように書いておくと、
当時の私は「安心できる収入」があったわけではありません。
配当収入や、細々とした請負の仕事はありましたが、
どれも年によって波があり、体調次第で止まる前提でした。
生活を保証してくれるものではなく、
むしろ不安定さと隣り合わせの状態です。
それでも「戻る」ことを選ばなかったのは、
収入の都合というより、
体と人生をどう設計するかの問題でした。
投資も、あくまで手段のひとつ
生活を守る手段として、
投資も選択肢のひとつには入っています。
ただ、これは毎月安定して入る収入ではなく、
年によって波があるものです。
私の感覚では「決算賞与みたいなもの」。
期待しすぎず、前提にもしていません。
だからこそ、収入を増やすより先に、
生活そのものを体調に合わせて最適化することを優先しました。
実際、車を手放すなど固定費を見直したことで、
「稼がなきゃ」という圧そのものが下がりました。
目指さなかった、というだけの話
この選択が正解だとは思っていません。
誰にでも勧めるつもりもありません。
ただ、
復職・再就職を目指さないという選択肢も、確かに存在する。
それを、自分の体験として残しておきたかった。
戻らないことは、諦めではありません。
壊れないための、再設計です。
もし、今苦しいなら
もし今、
「戻らなきゃ」「働かなきゃ」と思うほど、
体や心が重くなっているなら。
いったん立ち止まってもいい。
目指さない、という判断もある。
同じ道を選ばなくて構いません。
ただ、選択肢が一つではないことだけは、
知っておいてほしいと思います。
