入院や手術をしたとき、
「医療保険に入っているけれど、実際にいくら受け取れるのだろう?」
「保険金の請求には何が必要なの?」
と気になる人もいるのではないでしょうか。
私は2024年に脊髄腫瘍の手術を受け、約3週間入院しました。
そのとき、加入していた民間の医療保険から受け取ったのが、
手術一時金20万円+入院給付金9万円=合計29万円
です。
高額療養費制度によって医療費そのものの負担はかなり抑えられましたが、実際に大きな病気を経験してみると、公的制度だけでなく民間保険があることで助かった部分もありました。
一方で、実際に請求してみて、
「もっと早く確認しておけばよかった」
と思ったこともあります。
私は退院後すぐには申請できず、保険金を請求したのは約8か月後でした。
その間に保険会社の診断書の書式が変わっていて、少しヒヤッとした経験もあります。
この記事では、私自身の保険金請求の経験をもとに、
- 実際に受け取った保険金
- 請求するときに確認したいこと
- 診断書について気をつけたいこと
- 昔加入した保険で確認しておきたい保障内容
- 保険金を受け取った場合の医療費控除
についてまとめます。
※保険金・給付金の支払条件や必要書類、請求期限などは契約・保険会社によって異なります。実際に請求するときは、ご自身の保険証券・約款・保険会社の案内をご確認ください。
実際に医療保険から29万円を受け取った
私は2024年、脊髄腫瘍の手術を受けました。
手術は約7時間。
その後、約3週間入院しました。
加入していた医療保険から実際に受け取った金額は、
- 手術一時金:20万円
- 入院給付金:9万円(日額5,000円×18日)
合計29万円でした。
私が加入していたのは、月額数千円の掛け捨て型の保険です。
保障内容には、
- 手術時の一時金
- 入院時の日額給付
- 死亡保障
などが付いていました。
一方、病院で実際に支払った金額は約18万円でした。
これは医療費そのものだけではなく、入院中の食事や差額ベッド代なども含んだ金額です。
医療費そのものは約180〜190万円規模でしたが、高額療養費制度などによって実際の自己負担は大きく抑えられました。
そのうえで民間保険から29万円を受け取ったため、結果だけを見れば、病院に支払った金額を上回る給付を受けたことになります。
ただ、病気になったときに必要になるお金は医療費だけではありません。
仕事を休むことによる収入減や、通院、リハビリ、その後の生活などにも影響します。
実際に病気になってみて、私は初めて、
公的制度と民間保険は、役割が違う
ということを実感しました。
受け取った29万円に税金はかかる?
私の場合、医療保険から手術一時金と入院給付金として合計29万円を受け取りました。
ここで、
「保険会社から29万円も受け取ったら、このお金に税金はかからないの?」
と気になる方もいるかもしれません。
病気やケガを原因として本人が受け取る入院給付金や手術給付金などは、一般に非課税となるものがあります。
そのため、保険金を受け取ったからといって、必ず所得税がかかるわけではありません。
ただし、給付金の種類や契約内容、誰が保険料を負担し、誰が受け取ったのかなどによって税務上の扱いが異なる場合があります。個別のケースについては、保険会社や税務署などに確認してください。
また、「税金がかからないこと」と「医療費控除で差し引く必要があるか」は別の話です。
入院給付金や手術給付金など、医療費を補填する目的で受け取った給付金は、医療費控除を計算するときに考慮する必要があります。
この点については、後半の「保険金を受け取ったら医療費控除はどうなる?」で詳しく説明します。
保険金の申請が8か月後になった
今振り返ると、私は保険金の申請がかなり遅かったと思います。
退院してすぐに申請したわけではありません。
申請したのは、退院してから約8か月後でした。
理由は単純です。
保険金のことを考える余裕がなかったからです。
手術が終わったからといって、すぐに元の生活へ戻れるわけではありませんでした。
退院後も体調は安定せず、リハビリも続きます。
当時の私にとっては、
「保険金を早く請求しなければ」
ということより、
まず体を少しでも回復させることの方が重要でした。
これは実際に大きな病気を経験して初めて分かったことです。
保険会社からすれば申請手続きの一つでも、病気をした本人にとっては、その手続きをすること自体が負担になる場合があります。
だからこそ、体調が落ち着いたときに慌てないよう、加入している保険と必要書類だけでも家族と共有しておくといいと思います。
保険金請求で確認しておきたい3つのこと
実際に請求してみて、私は少なくとも次の3点は早めに確認しておいた方がいいと感じました。
1.どんな書類が必要なのか
私の場合は、保険会社所定の診断書が必要でした。
保険会社から専用の用紙を入手し、病院に記入を依頼しました。
病院側はこうした書類の扱いに慣れており、手続きそのものは難しくありませんでした。
ただし、診断書には発行費用がかかりました。
正確な金額は覚えていませんが、私の場合は8,000円前後だったと思います。
ここで注意したいのは、
すべての保険金請求で診断書が必要とは限らない
ということです。
契約内容や請求する給付金によっては、診療明細書や領収書などで請求できる場合もあります。
そのため、いきなり病院に診断書を依頼するのではなく、
まず保険会社に必要書類を確認する
のがいいと思います。
診断書が不要なら、その分の費用や手間を減らせる可能性があります。
2.診断書をもらったら、できるだけ放置しない
私の場合、ここで少し問題が起きました。
病院から診断書を受け取ったあとも、すぐには保険会社へ提出しませんでした。
その間に、
保険会社の診断書のフォーマットが変更されていたのです。
「もう一度病院で診断書を書いてもらわないといけないのでは?」
と心配しました。
結果として、私の場合は旧様式の診断書でも受け付けてもらえました。
ただ、もし再発行になっていれば、また病院へ依頼し、発行を待ち、費用も支払うことになっていたかもしれません。
体調が悪いときに急いで手続きをする必要はないと思います。
ただし、
必要書類を受け取ったまま長期間放置しない。
これは自分の経験から気をつけた方がいいと思ったことです。
3.請求期限を確認しておく
保険金や給付金には、契約上の請求期限があります。
ただし、具体的な期限や取り扱いは契約によって異なるため、
「○年以内なら必ず大丈夫」
と考えるのではなく、自分が加入している保険会社や約款で確認しておく方が確実です。
私は約8か月後でも請求できましたが、それを基準にすることはできません。
退院後すぐに手続きをするのが難しい場合でも、
「いつまでに請求すればいいのか」だけ確認しておく
と安心です。
入院中の書類はまとめて残しておいた方がいい
入院すると、驚くほどたくさんの書類を受け取ります。
領収書、診療明細書、入院関係の書類、保険会社関係の書類などです。
退院直後は、
「これはもういらないだろう」
と思うものもあります。
でも、私はできるだけ残しておくことをおすすめします。
保険金請求だけではなく、後から医療費控除をするときなどにも必要になる可能性があるからです。
私は、
病院関係の書類を一つの場所にまとめて保管する
ようにしています。
きれいに整理する必要はありません。
少なくとも、
「病院でもらったものはここ」
と決めておくだけでも、後から探す負担はかなり減ります。
保険金を受け取ったら医療費控除はどうなる?
医療保険から入院給付金や手術給付金を受け取った場合は、医療費控除を計算するときにも注意が必要です。
医療費を補填するために受け取った保険金や給付金は、原則としてその給付の対象となった医療費から差し引きます。
ただし、受け取った給付金が対象となった医療費より多かったとしても、余った金額を別の医療費から差し引く必要はありません。
たとえば、ある入院について20万円の対象医療費があり、その入院に対する給付金を29万円受け取ったとしても、余った9万円を別の通院費などから差し引くという計算にはなりません。
医療費控除と保険金の関係は間違えやすいため、こちらの記事で詳しく整理しています。
昔加入した医療保険・がん保険で確認しておきたいこと
今回、自分の医療保険を実際に使ってみたことで、
「保険に入っている」ことと、「どんなときにいくら受け取れるかを知っている」ことは別
だと感じました。
これは医療保険だけではなく、がん保険についても同じだと思います。
以前、がんを経験した後に保険営業をしている知人と話す機会がありました。
その話もきっかけとなり、自分が昔加入した保険についても、
今どんな保障になっているのか
を確認しておく必要があると感じました。
特に確認しておきたいのは、次のような項目です。
通院治療は保障されるのか
「がん保険に入っているから、がん治療なら何でも保障される」
とは限りません。
入院、通院、手術、抗がん剤治療など、何を対象とするかは契約によって異なります。
重要なのは、
自分の契約では何が支払条件になっているのか
を確認することです。
診断一時金はあるのか
がんと診断されたときに一時金が支払われる契約もあります。
ただし、
- 初回のみなのか
- 複数回受け取れるのか
- 何年空ければ再度対象になるのか
など、条件は商品によって異なります。
「診断一時金あり」という言葉だけで判断せず、支払条件まで確認しておいた方がいいと思います。
上皮内新生物はどう扱われるのか
上皮内新生物についても、がんと同じ金額が支給されるのか、減額されるのかなどは契約によって異なります。
自分の契約がどうなっているのか、一度確認しておくと安心です。
入院だけでなく通院時の保障も確認する
医療保険やがん保険では、
「入院したらいくら出るのか」
だけを確認している人も多いと思います。
私自身も、以前は入院日額をかなり意識していました。
でも実際に病気を経験すると、退院したら治療が終わるわけではありません。
通院やリハビリが長く続くこともあります。
そのため、
退院後の治療について、自分の契約がどうなっているのか
も確認しておく価値があります。
先進医療特約の有無だけでなく、支払条件を確認する
先進医療特約が付いている場合も、
「付いているから安心」
で終わらせず、対象となる治療や給付条件を確認しておいた方がいいと思います。
保険は、名称だけでは実際の保障内容までは分かりません。
最終的には自分の契約内容を確認することが重要です。
「古い保険だから解約」ではなく、まず内容を確認する
以前の私は、
「昔の保険なら、新しいものに変えた方がいいのでは?」
と単純に考える部分もありました。
でも、今はそうは思っていません。
古い契約だから悪い、新しい契約だから良い、と単純に判断できるものではないからです。
昔の契約でも自分に必要な保障が含まれていることがあります。
反対に、新しい商品へ変更すると保険料や保障条件が変わることもあります。
また、健康状態によっては新しい保険への加入条件が変わる可能性もあります。
そのため、
いきなり解約するのではなく、まず現在の契約内容を確認する。
これが最初だと思います。
保険証券や契約者向けのWebページなどを見て、
「自分が今入院・手術したら、何がいくら支払われるのか」
を一度確認するだけでも十分です。
医療保険を実際に使って、保険の役割を考え直した
私は現在、公的な医療保険制度でどこまでカバーできるのかを確認したうえで、民間保険は必要な保障に絞り、資産形成とは分けて考えるようにしています。
これはあくまで私自身の考え方です。
以前は、
「保険に入っていれば安心」
くらいに考えていました。
でも実際に手術をして、高額療養費制度を利用し、民間保険から29万円を受け取ってみると、少し考え方が変わりました。
公的制度で大きな医療費負担が抑えられる部分がある。
民間保険から給付を受けられる部分もある。
そして、それでも病気による収入減や、その後の生活まで完全に保障されるわけではありません。
だから私は、
「保険にいくら入るか」より先に、「何に備えるための保険なのか」を考える
ようになりました。
私の場合は、保障と資産形成を分けて考える方が分かりやすいと感じています。
ただし、必要な保障は、家族構成、収入、貯蓄、働き方などによって変わります。
大切なのは、誰かの正解をそのまま当てはめることではなく、
自分の場合、どんなリスクを自分のお金で負担できて、どこから保険が必要なのか
を考えることだと思います。
まとめ|保険は「入っているか」より「何が出るか」を知っておく
私は脊髄腫瘍の手術・入院後、民間の医療保険から合計29万円を受け取りました。
実際に使ってみて感じたのは、
保険は加入しているだけではなく、必要になったときにどう使えるのかを知っておくことが大切
ということです。
私の場合、申請が約8か月後になり、その間に診断書の様式が変更されていました。
幸い問題なく請求できましたが、この経験から、体調が落ち着いたら早めに必要書類や請求方法を確認しておいた方がいいと感じました。
また、昔加入した医療保険やがん保険についても、
古いからすぐ見直すのではなく、まず現在の保障内容を確認する。
そこからで十分だと思います。
大きな病気になったときに頼れるのは、民間保険だけではありません。
高額療養費などの公的制度もあります。
貯蓄もあります。
そして病気になった後も続けられる働き方や収入を考えておくことも、一つの備えになります。
私自身、病気を経験してから、
「保険に入って安心する」のではなく、「何が起きても生活が大きく崩れないように、いくつかの備えを組み合わせる」
という考え方に変わりました。
高額な手術・入院費がどうなったのか知りたい方へ
私の場合、手術・入院にかかった医療費そのものは約180〜190万円規模でした。
それでも実際の支払いが大きく抑えられたのは、高額療養費制度があったからです。
実際の入院経験とあわせて、こちらの記事で詳しくまとめています。
保険金を受け取った後の医療費控除が気になる方へ
高額療養費を利用し、さらに民間の医療保険から給付金を受け取ると、
「医療費控除では、いくら差し引けばいいの?」
という疑問も出てきます。
高額療養費・民間保険・医療費控除の関係はこちらで整理しています。
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