40代になると、新しいことを始めるのをためらう人も多いかもしれません。
今ある仕事を続け、定年まで働く。
それが一般的な選択かもしれません。
私も20年以上、経理として働いてきました。
管理職も経験し、周りから見れば安定した会社員だったと思います。
だからこそ、会社を辞めると伝えたときは、「もったいない」という反応も少なくありませんでした。
でも、私が怖かったのは退職することではありません。
このまま同じ仕事を繰り返し、気づけば定年を迎えることでした。
新しいことを学ぶために会社を辞めた
当時の私は、AIという言葉を耳にする機会が少しずつ増えてきた頃でした。
経理の仕事そのものがなくなるとは思っていませんでしたが、仕事の進め方は大きく変わっていくだろうと感じていました。
このまま今までの知識だけで働き続けることに、不安を感じるようになったのです。
そこで私は、データサイエンスを学ぶために退職することを決意しました。
経理では日頃から数字を扱い、分析する機会が多くあります。
統計学は仕事との親和性も高く、学んだことを活かせるイメージがありました。
さらにPythonを学べば、データ分析だけではありません。
業務効率化やAI、アプリ開発など、新しい分野への理解も広げられるのではないか。
そう考えたのです。
当時の目的は、とても明確でした。
分析力を身につけること。
業務を効率化するためのプログラミングを学ぶこと。
そして、その先に新しい仕事へつなげることでした。
人生は予定どおりには進まなかった
ところが、人生は思っていたようには進みませんでした。
データサイエンススクールを卒業する頃、病気が見つかりました。
入院、手術、そしてリハビリ。
転職を前提に描いていた計画は、その時点で止まってしまいました。
「せっかく勉強したのに。」
そう思ったこともあります。
転職できなければ、この勉強は無駄だったのではないか。
当時は本気でそう感じていました。
学びは、違う形で役に立っていた
でも、今振り返ると、その考えは間違っていました。
私は今でもPythonを使っています。
ブログ運営を効率化するツールを作ったり、データを分析したり、AIと組み合わせて小さな仕組みを作ったりしています。
以前思い描いていた「Pythonを使う仕事」とは少し違います。
それでも、あのとき学んだことが、今の働き方を支えていることは間違いありません。
さらに大きかったのは、技術そのものではありませんでした。
知らないことを調べる力。
新しいことを試してみる習慣。
変化を受け入れる考え方。
そうした姿勢の方が、今では価値が大きかったように感じています。
学びは、転職のためだけではない
以前の私は、学び直しとは転職するための準備だと思っていました。
もちろん、それも一つの目的です。
しかし今は、それだけではないと考えています。
学ぶことで、選択肢が増えます。
新しい働き方を考えられるようになります。
新しい技術や変化にも対応しやすくなります。
そして、予定していた未来が変わったとしても、別の道を考えられるようになります。
学びとは、未来を決めるものではなく、未来を広げるものなのだと思います。
おわりに
もし病気にならず、予定どおり転職していたら、このような考えにはならなかったかもしれません。
私は学び直しを、転職するために始めました。
でも結果として得られたものは、それ以上でした。
新しい技術を身につけたことだけではありません。
変化しても、また学べばいい。
前提が変わっても、違う道を探せばいい。
そんな考え方を持てるようになったことが、一番大きな収穫だったように思います。
当時思い描いていた未来とは違いましたが、あのとき学び始めた経験が、今の私の判断基準や働き方につながっていることは間違いありません。
だから今の私は、学び直しは転職のためだけではなかったと感じています。
それは、これからの人生の選択肢を増やすための学びだったのです。
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