脊髄腫瘍の体験談|術後の後遺症とフリーランスとして働く日々

ある朝、突然立ち上がれなくなりました。
まさか自分が「痛みと共に生きる人生」を送ることになるなんて、その時は想像もしていませんでした。

この記事では、私が脊髄腫瘍と診断され、手術・後遺症を経て「痛みと生きる働き方」を模索するようになった体験をまとめています。
同じように病気や後遺症で悩む方の参考になれば幸いです。

目次

病気は突然、やってくる

病気が私の人生を大きく変えました。
若い頃は「自分には大病なんて関係ない」と思っていました。運動もしていたし、健康にも気を遣っていた。だからこそ、突然「脊髄腫瘍」という診断を受けたときの衝撃は大きかったのです。その時は、ショックというより頭の中で考えきれない状態でした。まさにパニック状態です。色んな事を一気に考え始めたからです。


病院に行けば治ると信じていた頃と今

それまでは「病院に行けば薬をもらって治る」と思っていました。
しかし、脊髄腫瘍の術後に残った後遺症(痛み・痺れ・麻痺)は、見た目には分からず、簡単に説明できるものではありません。

黙っていれば気づかれない。けれど、胸と背中に痛みは常にある。
また、足の指先は痺れている。左足のコントロールが難しい。お尻に痺れがある。お腹に力をいれるのが難しい。
左太ももに痛みがある。
この「目に見えない障害」を理解してもらう難しさに、今も直面しています。

痛みなんて、人によってとらえ方が違うので、特に説明が難しい。我慢できない痛み?ってどれくらいの痛みを指すか、言葉で説明できない。

今では、そういった話を人に説明するのが、億劫だ。
なんで、治らないの?痛み止め飲んだら収まるんじゃないの?なんでなん?って。

始めは丁寧に説明していたが、毎回同じことを聞かれる。


痛みと共に働くフリーランスという選択

現在は在宅でフリーランスとして働いています。
つらい時は床に寝転びながら痛みを和らげ、痛みが落ち着けば仕事をしています。

会社員のように「時間と場所に縛られる働き方」は難しいですが、フリーランスという形であれば、体調に合わせて働けるのは救いでした。

ただ、PC作業は、肩や首にも負担がかかるので、長時間の作業は体に負担がかかるので、短時間でなるべく終わらせるようにしています。


制度のはざまで

大きな壁となったのが「制度」の存在です。
私の場合、主症状は「強い痛み」であり、障害者手帳の取得要件には当てはまりませんでした。

足は動く。体もある。だから「制度の対象外」とされてしまう。
その結果、相談できる窓口もなく、健常者として働くしかありませんでした。

頭では理解していても、心は追いつかない。そんな苦しさを何度も味わいました。

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夢を折られたあの日

病気が見つかる直前、新しいプログラミングスキルを学び「新しい仕事を頑張ろう」としていた矢先でした。
その矢先に病気で夢が折られ、前に進もうとした希望は突然失われました。


今だからこそ書けること

後遺症を完全に受け入れることはできていません。
それでも「今の自分を認めなければ前に進めない」と思うようになりました。

制度に救われないなら、自分で道を切り開く。
そう決めたことで、少しずつ気持ちが前を向けるようになったのです。


模索を続ける日々と収入の工夫

病気になる前から「収入源は複数持った方がいい」と会社員時代から考えていました。
その備えがあったおかげで、今も何とかして働きながら生活できています。

体調に合わせて働きつつ、新しい仕事を模索し、少しずつでも前に進んでいます。


伝えたいことは、ただ一つ

この体験記を通して伝えたいのは、「あなたは一人じゃない」ということです。

私は今もリハビリを続け、運動をできる範囲で続けています。
なぜなら、止めた瞬間に「治らない」と自分で諦めてしまうことになるからです。


家族と共に生きる喜び

今でも痛みで気持ちが折れそうになることもあります。
それでも、子供と遊びに行ったり、家族で旅行に出かけたりする時間は、痛みを忘れさせてくれる大切な時間です。

「楽しく遊ぶことこそ、私にとって最善の治療かもしれない」──そう思えるようになりました。


最後に ― あなたへ

もしこの記事を読んでいるあなたが、同じように病気や後遺症で不安を抱えているなら、
「あなたは一人じゃないよ」と心から伝えたいです。

私の旅はまだ続きます。
痛みと共に、それでも自分らしく生きるために。

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この記事を書いた人

会計事務所、事業会社で税務・経理の仕事に従事していました。
40代で脊髄腫瘍になり、手術・リハビリをしつつ、現在はフリーランスで仕事をしています。