伝えることで、また生き直していく。——病気と歩いた日々の、その先へ
気づけば、病気が見つかってからもう1年が経ちました。
あの頃の自分には想像できなかった生き方を、今はしています。
リハビリを続けながら、
体に合ったペースで働き、
そして、自分の人生を自分でデザインする。
ここまでの道のりは、
決して順調でも、平坦でもありませんでした。
でも今、ようやく心から思えるんです。
「この経験は、誰かの希望になるかもしれない」と。
病気になった日が、“生き直し”のスタートだった
あの日、医師から告げられた病名。
頭の中が真っ白になり、
「もう元の生活には戻れない」と感じた瞬間。
でもあのとき止まったのは、人生そのものではなく、
“以前の生き方”だけだったんだと思います。
体が思うように動かなくなっても、
心は確かに生きている。
そして、そこからもう一度、人生を組み立て直していく。
あの絶望が、
結果的に「生き直す力」をくれました。
リハビリの先にあった、“心の回復”
リハビリの時間は、体を動かす訓練でもあり、
心を整える時間でもありました。
できないことに目を向けるより、
“できるようになったこと”を数える。
その小さな積み重ねが、
折れた心を少しずつ支えてくれました。
体の回復よりも、
心の回復こそが、人生を立て直す鍵だったと思います。
「働くこと」を取り戻した意味
再就職を諦めざるを得なかったあの日。
私は、社会とのつながりを失ったような気がしていました。
でも、あの「喪失感」があったからこそ、
“自分の体に合う働き方”を探す力が生まれたんです。
病院やリハビリに通いながら、
痛みと向き合いながら働く日々。
その現実の中にこそ、
「働けることの喜び」がありました。
頑張るより、続ける。
成果より、信頼。
収入より、安定。
“働く”とは、生きることを支える行為なんだと、
今はそう感じています。
病気を中心に生きるのをやめ、“人生をデザインする”
長い時間を経て、ようやく気づきました。
病気を“避けるもの”ではなく、“共に生きるもの”として受け入れた瞬間、
ようやく人生の主導権を取り戻せたんです。
今は、病気を「軸」にするのではなく、
“自分の生き方”を軸にして病気を組み込む。
それが、私の“再生のかたち”です。
経験を「伝えること」も、私のリハビリ
このブログを書き始めたのは、
誰かに読んでもらいたいというより、
自分の中にある“整理できない想い”を言葉にしたかったからです。
でも今は、少し違います。
同じように悩んでいる誰かの“光”になれたら——
それが、私の生きる理由になっています。
伝えることは、まだ終わらないリハビリの一部。
言葉にするたびに、自分自身の心が少しずつ軽くなっていくのを感じます。
「再生」は、終わらない
リハビリも、仕事も、人生も。
終わりではなく、続いていくもの。
体は完全には戻らない。
でも、その中で工夫して、
笑える瞬間を増やしていけるなら、それでいい。
完璧を目指さなくていい。
自分のペースで、できることを積み重ねていく。
そうやって生きていくことが、
私にとっての“再生”なんだと思います。
病気がくれたもの
病気は、私から多くのものを奪いました。
でも同時に、
それ以上に大切なものをくれました。
- 無理をしない勇気
- 続ける力
- 優しさと感謝
- 「生きること」を選び直す強さ
そして、
“今ここに生きている”という実感。
これから
一般的には、回復期は1年とされています。
しかし、私はまだ、自分の中で回復の途中です。
週に一度のリハビリも、薬も、これからも続きます。
でも、だからこそ、これからも発信していこうと思っています。
病気と生きることは、終わりではなく“始まり”だから。
誰かの生き方に、小さな灯りをともせるような言葉を、
これからも書き続けていきます。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
