働けなくなったとき、私が大きな不安を感じたのは「お金」でした。
収入が止まるかもしれない。
治療費はこれからもかかる。
貯金を取り崩して、いつまで生活できるのか分からない。
体調そのものが不安な中で、お金のことまで考え続けるのは大きな負担になります。
そんなとき、
「早く収入を作らなければ」
と考えてしまうかもしれません。
でも、実際に働けない時期を経験して分かったのは、最初に考えるべきことは収入を増やすことだけではないということでした。
まず、
今あるお金で、どれくらい生活できるのか。
毎月出ていくお金を、どこまで軽くできるのか。
利用できる制度はないのか。
そこを確認してから、これからの収入について考える。
私はこの順番の方が、落ち着いて生活を立て直しやすいと感じました。
この記事では、病気や体調不良などで働けなくなり、収入が止まったときに考えたいことを、順番に整理します。
まず「今あるお金で何か月暮らせるか」を確認する
収入が止まると、不安が一気に大きくなります。
ただ、
「このままでは生活できない」
と漠然と考えているだけでは、実際にどれくらい時間が残されているのか分かりません。
そこで最初に確認したいのが、
手元のお金 ÷ 1か月に必要なお金
です。
たとえば、生活に必要なお金が月20万円で、生活費として使える預貯金が240万円なら、単純計算では12か月分あります。
もちろん、実際には税金や社会保険料、医療費、急な支出などもあります。
そのため単純な割り算だけでは判断できません。
それでも、
「あと何か月くらいなら立ち止まれるのか」
を把握するだけで、状況はかなり具体的になります。
私自身、働けない可能性を考えるようになってから、お金を単なる金額ではなく、
「働かなくても考える時間を確保するためのもの」
として見るようになりました。
固定費は早めに見直す
次に確認したいのが、毎月必ず出ていく固定費です。
収入は、体調が悪いからといってすぐ増やせるわけではありません。
一方で、支出の中には自分で見直せるものがあります。
特に固定費は、一度下げれば翌月以降も効果が続きます。
私が見直しの対象として考えたのは、たとえば次のような支出です。
- 住居費
- 通信費
- 車の維持費
- 保険料
- サブスクリプション
- 積立額
- 外食など定期的に発生している支出
ただし、何でも削ればいいわけではありません。
病気のときに食費や必要な医療費まで無理に削れば、かえって生活が苦しくなることもあります。
大切なのは、
生活に必要なものまで削ることではなく、「なくても困らない固定費」から軽くすること。
固定費が月3万円下がれば、年間では36万円です。
収入が不安定な時期ほど、この差は大きくなります。
公的制度や給付を確認する
働けなくなったときは、自分の貯金だけで何とかしようとする前に、利用できる制度がないか確認することも大切です。
状況によっては、
- 傷病手当金
- 高額療養費制度
- 健康保険料の軽減・減免
- 国民年金保険料の免除・猶予
- 自治体独自の支援制度
などが利用できる可能性があります。
ただし、会社員かフリーランスか、加入している健康保険、所得、退職時期などによって利用できる制度や条件は異なります。
そのため、
「自分は何が使えるのか」を個別に確認する
ことが必要です。
働けない状態では、制度を調べたり申請したりすること自体が負担になることもあります。
それでも、使える制度を知っているかどうかで、手元のお金が減る速度は変わります。
収入が止まったときほど、
「自分で稼ぐ」以外の選択肢も確認する。
これは生活を守るうえで重要だと感じています。
医療費は一時的な支出とは限らない
病気になる前は、医療費について、
「治療が終われば減っていくもの」
という感覚がありました。
でも実際には、手術や入院が終わったあとも、
- 通院
- 薬
- リハビリ
- 検査
- 治療に伴う交通費
などが続くことがあります。
つまり、病気になったときの生活費を考えるなら、以前の生活費だけを基準にするのでは足りません。
生活費+医療関係の支出
で考えておく必要があります。
特に収入が減っている時期に医療費までギリギリに見積もると、想定外の検査や治療が入っただけで家計が崩れてしまいます。
私は、働けない時期ほど、
少し余白を持った生活費を想定しておくこと
が大切だと考えるようになりました。
「収入」ではなく、実際に使えるお金で考える
働けなくなると、
「月いくら稼げば以前と同じ生活に戻れるか」
と考えがちです。
でも、収入がそのまま生活に使えるわけではありません。
働き方によっては、収入から税金や社会保険料などを負担する必要があります。
特にフリーランスや個人事業主の場合、
売上=自由に使えるお金
ではありません。
だから私は、売上や年収だけではなく、
最終的に生活に使えるお金はいくら残るのか
を見ることが重要だと考えています。
同時に、
以前と同じ収入に戻すことだけを目標にしない
ことも大切です。
毎月必要なお金そのものを下げられれば、必要な労働時間も減らせる可能性があります。
これは、体調に制約がある人にとってかなり大きな意味を持ちます。
収入を増やすのは、生活の土台を整えてからでもいい
もちろん、長期的には収入を作る必要があります。
ただ、体調が悪い状態で、
「とにかく以前と同じだけ稼がなければ」
と焦ると、無理な仕事を引き受けてしまうことがあります。
私も病気を経験してから、収入について考える順番が変わりました。
まず、
今あるお金を確認する。
次に、
固定費を軽くする。
そして、
使える制度を確認する。
そのうえで、
今の体調なら、どれくらい働けるのかを考える。
この順番です。
必要な生活費が小さくなれば、以前と同じ時間働かなくても生活できる可能性があります。
そこで生まれた余白を使って、
- 自分の体調に合う仕事を探す
- 在宅でできる仕事を試す
- 新しいスキルを身につける
- 労働以外の収入源を育てる
といった次の選択肢を考えられます。
収入が止まったから、すぐに収入を元に戻す。
それだけが答えではありません。
働けないときは「お金が減る速度」をまず遅くする
働けなくなったとき、お金の不安を完全になくすのは難しいと思います。
私自身もそうでした。
ただ、
「いくら稼がなければいけないのか」
だけを考えていた頃より、
「今あるお金で何か月暮らせるか」
「毎月出ていくお金をどこまで軽くできるか」
「使える制度はないか」
と順番に分けて考えるようになってから、お金の問題を少しずつ整理できるようになりました。
働けないときに、まず必要なのは、
収入を急いで増やすことより、お金が減る速度を遅くすること。
そのために、
① 手元のお金を確認する
② 固定費を見直す
③ 公的制度を確認する
④ 医療費の余白を持つ
⑤ その後で収入を再設計する
という順番で考える。
そして生活の土台が整ってから、
「もしまた働けなくなっても、すべての収入が同時に止まらないためにはどうすればいいか」
を考えるようになりました。
