「無理をしない方がいい」
そう分かっていても、
実際にそれを選ぶのは簡単ではありません。
無理をやめるということは、
ただ楽になることではなく、
それまで当たり前だった働き方や、
自分の中の前提を手放すことでもあるからです。
私自身、体調を崩してから
「無理をしない」と決めるまでに、かなり時間がかかりました。
そして実際に決めたとき、
最初に手放したものは、
能力でも努力でもありませんでした。
それは、もっと根本的なものでした。
「無理をしない」と決めること自体が、一番難しかった
「無理をしない方がいい」
それは、頭では分かっていました。
体調が不安定になり、
以前のように動けなくなってからは、
無理を続けること自体がリスクだということも理解していました。
それでも、やめられなかった。
「もう少し頑張れば戻れるかもしれない」
「ここで止まったら、取り返しがつかなくなる気がする」
そんな感覚がずっとありました。
無理をしている自覚はあっても、
それをやめる決断は、想像以上に重かった。
なぜなら、無理をやめるということは、
それまで自分を支えていた“何か”を失うことと同じだったからです。
最初に手放したのは、「元に戻る」という前提だった
無理をしないと決めたとき、
最初に手放したのは、
「元に戻る」という前提でした。
以前と同じように働けるようになる
体力も集中力も回復する
時間が経てば、元の自分に戻る
どこかで、そう信じていました。
だからこそ、
無理をすることにも意味があると思っていた。
でも、ある時気づきました。
戻ることを前提にしている限り、
無理をやめる理由が存在しない。
「戻るための努力」は、
どこまでも正当化されてしまうからです。
ただ現実は、違いました。
少しずつ回復している実感はあっても、
以前と同じ状態にはならない。
完全に元通りになる未来は、
どこにも見えませんでした。
その事実を受け入れることは、
正直、かなりきつかったです。
「もう戻れないのかもしれない」
その一言を、自分の中で認めるまでに、
かなり時間がかかりました。
次に手放したのは、「評価される働き方」だった
次に手放したのは、
「評価される働き方」です。
長時間働くこと
頼まれた仕事を断らないこと
忙しさを維持すること
これまでの自分は、
そういう働き方で評価されてきました。
周囲からの信頼も、
自分自身の納得感も、
そこにありました。
でも、それを続けると、
体が確実に壊れる。
だから、働き方を変えるしかなかった。
・仕事量を意図的に減らす
・無理な依頼は断る
・体調を優先してスケジュールを組む
当たり前のようで、
これまでの自分からすると、かなり違和感のある選択でした。
そして実際に、
一時的に「自分の価値が下がった」ような感覚もありました。
前のように動けない
以前ほど任されない
できることが減っている
そう感じる瞬間は、何度もありました。
でも今振り返ると、
価値が下がったのではなく、
“評価の基準が変わっただけ”でした。
手放すことは、「諦めること」とは違った
当時は、正直こう思っていました。
「これは諦めなんじゃないか」
できていたことをやめる
続けていた働き方を変える
周りと同じペースで動けなくなる
それはどうしても、
後退しているように見えました。
でも実際には、違いました。
手放すことは、
後退ではなく、再設計の入り口でした。
無理を続けていたら、
いずれ本当に動けなくなっていたかもしれない。
そう考えると、
あのときの選択は、
諦めではなく、
守るための判断だったと思います。
「無理をしない」は、弱さではなく設計だった
無理をしないと決めることは、
楽になることではありませんでした。
むしろ、
今までの前提や価値観を、
一つずつ手放していく作業でした。
だから、痛みもありました。
でもその痛みは、
「このままでは続かない」という
体からのサインでもあったと思います。
無理をしないという選択は、
逃げではなく、
続けるための設計でした。
手放したことで、ようやく続けられるようになった
最初に手放したときは、
「このままで大丈夫なのか」
「この先、やっていけるのか」
そんな不安がずっとありました。
でも今は、少し違います。
無理をしないことを前提にした方が、
結果として長く続いています。
一度崩れてから、
無理をやめて、
前提を作り直したことで、
ようやく「続けられる形」が見えてきました。
あのとき手放したものは、
失ったものではなく、
土台を作るために必要な余白だったと思います。
まとめ
「無理をしない」と決めたとき、
最初に手放したのは、
能力でも努力でもなく、
前提でした。
元に戻るという考え
評価される働き方
これまでの基準
それらを手放したことで、
ようやく
今の自分に合った働き方を
作り始めることができました。
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